J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「ワタミで成長させていただいて感謝」 渡辺氏が女性店長の手紙を公開、ネットでは「演出?」の声も

   ワタミグループ創立者で元会長の渡辺美樹氏が、社員からもらった手紙をFacebookに公開した。新卒でワタミに入社して4年目になる女性店長が、手書きで渡辺氏への「感謝」をつづった内容だ。

   参議院の仕事を終え議員会館に近くにあるワタミの飲食店に立ち寄った際、目の前で店長が手紙を読み上げてくれたという。ワタミには「ブラック企業」という批判もあるため、この手紙をめぐり「イメージアップのための演出ではないか」という意見もネットで出ている。

「成長」「感謝」がキーワード

渡辺美樹氏(2013年5月撮影)
渡辺美樹氏(2013年5月撮影)

   手紙は達筆な字で2枚にわたって書かれている。女性は入社当時、何に対しても自信が持てず、「周りの人の夢や目標を応援できるような人になりたい」と、がむしゃらに働いてきたという。現在はワタミが経営する新ブランドの店長として働いており、以前から希望してきた新卒社員を受け入れる立場になれたことを喜んでいる。

「なりたい自分になるためには最高の環境であることを伝えながら、一緒に成長していきたいと思っています」

   手紙には「成長」という言葉が頻出する。数えてみると計10回だった。感謝の言葉も多く、「本当にワタミの理念でこの会社を選んでよかった。成長のチャンスや学びが沢山あるワタミが私は大好きです」といった内容が続く。

   一方で、「周りからの風評被害が無いとは言いません」と「ブラック企業」と周囲から批判されることをにおわせる記述もあったが、「そんな人にこそワタミで成長して結果を出している自分を見ていただきたいです」と健気だ。

   渡辺氏は手紙で言及された「風評被害」について、「一部の人が『ワタミ』と言う企業に植え付けようとしているイメージ」だとして、「そんなイメージに精一杯立ち向かおうとしてくれた彼女の勇気に『ありがとう』で胸が詰まりました」と称えた。この手紙は女性がFacebookに載せてほしいと頼んだそうだ。

   「彼女は今、ワタミで働いていて幸せだと言ってくれています」と社員の声を盾に、渡辺氏は読者にこう問いかける。

「企業イメージを叩いて叩いて彼女や彼女の両親を悲しませることは悪ではないのですか?」

「店長に上り詰めたんだもの、洗脳済みだよ」

   渡辺氏のFacebookには「いいね!」が600以上、「社員さまの"思い"に心底感動いたしました!シェアさせていただきます」と好意的なコメントが寄せられたが、ツイッターでは批判的な意見も多い。

「演出がベタ過ぎて笑えますね」「イメージアップ戦略ですねわかります」「店長に上り詰めたんだもの、洗脳済みだよ」「洗脳、もしくは買収の臭いがプンプンするなww」

   ちょうど新卒採用のシーズンであるため、ワタミのイメージ向上が狙いという見方だ。ワタミグループ社員の過労死問題が学生に与える影響は少なくないようで、渡辺氏は大阪で学生から「ブラック企業ではないと、どう言う形で払拭しますか?」と問われたと、17日のFacebookで明かしている。それに対する回答は以下の内容だ。

「もし、ワタミが本当にブラック企業だったら今の6,000人強の社員は離れています。何より、ブラック企業と言う言葉・定義も曖昧すぎます」

   笑顔の社員の顔が並ぶパンフレットの写真も掲載して、「ワタミと言う会社で『思いを、カタチに。』している人が大勢いること、こうした社員の表情が事実あることも、ちゃんと知って頂ければと思います」

と反論している。