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消費税引き上げ対応戦略、工夫こらす マックなど「看板商品」値下げする外食店も

   17年ぶりとなる消費税の増税が2014年4月1日から始まり、大多数の商品やサービスの価格は増税分が引き上げられた。

   その一方で、一部メニューの値下げに踏み切り、消費者の取り込みを図る外食チェーン店も現れた。

ハンバーガーが100円に値下げ

新価格のメニューに切り替わったマクドナルド
新価格のメニューに切り替わったマクドナルド

   増税の対応は、そのまま転嫁するのが大多数だが、据え置きにするケースもないわけではない。そうした中で、看板商品は値下げするといった戦略を打ち出すところも出てきた。

   マクドナルドの場合は、原則として増税3%分を上乗せするが、看板商品を値下げした。120円だったハンバーガーの販売価格を100円(税込、以下同)に下げ、チーズバーガーも150円から133円に変更した。「100円マック」は価格据え置きで実質的に値下げとなり、プレミアムローストコーヒーSサイズ、ドリンクSサイズ(ミニッツメイドオレンジを除く)、チキンクリスプ、ホットアップルパイなどは引き続き100円で購入できる。

   東京都新宿区にある「新宿大ガード西店」では、5時の朝食メニューに続き、10時半にはレギュラーメニューが新価格に設定された表示に変わり、値下げした商品を買い求める客の姿も見られた。

   会社員の女性(27)は「消費税が上がって端数が出るようになったけど、100円マックは小銭でぴったり払えるからうれしい」と話していた。

   ネットでも価格の変更に、

「おおおお! マック、ハンバーガー値下げ!!」
「100円マックにハンバーガーが仲間入りだと!?!? これはいかないかんわ」

と好評のようだ。

   一部メニューを値下げする理由を日本マクドナルドは以下のように説明する。

「消費税増税に伴い、お客様が実質的にご負担する金額はあらゆる場面において増えていきます。お得感を今まで以上に感じてご利用いただければと思い、今回の値下げを決定いたしました」

すき家は牛丼並盛りを10円値下げ

   看板商品を値下げするのはマックだけではない。牛丼チェーンのすき家も並盛りの価格を10円下げ、270円とした。可処分所得が目減りして低価格志向が強まると見て、あえて値下げすることで客数を増やしてトータルの収益を確保したい考えだ。増税分として10円上乗せして290円で販売する松屋や、牛肉の質を高めながら20円上乗せして300円とした吉野家とは価格戦略が分かれた。

   さらに、ファミリーレストラン大手のサイゼリヤでは299円の「ミラノ風ドリア」など主力メニューの価格を据え置いた。また、コンビニのファミリーマートではサンドイッチ用の食パンの材料や製法を見直して、値段を変えずに約5%ボリュームをアップさせるなど、各社がお客を取り込もうと工夫をこらしている。