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安倍首相が増税後の買い物パフォーマンス 「高くなった」発言に批判も

    安倍晋三首相(59)が2014年4月5日午前に東京都中央区の日本橋三越本店を訪れ、消費税率引き上げ後初めての週末に買い物を楽しんだ。

   消費者に寄り添う姿勢を示すパフォーマンスとみられ、記者から感想を聞かれて答えた発言が物議も醸している。

「何を呑気に他人事のように話しているんだ」

消費税が上がったと実感(14年3月撮影)
消費税が上がったと実感(14年3月撮影)

   三越本店を訪れた安倍首相は、自ら財布を取り出してカジュアルシューズや小説など6冊、食品売り場ではつくだ煮やしょうゆ、ヨーグルトや大判焼き、レトルトカレーなどを買って支払った。買い物に費やした時間は約一時間、支出は計3万9955円で、うち消費税分は2959円だったそうだ。

   記者から買い物をした感想を聞かれると、

「消費税がだいぶ高くなったんだという実感があった」(毎日新聞) 「消費税が8%になったので(導入時より)高くなった実感がした」(産経新聞)

と答えた。そして、上がった消費税はしっかりと社会保障に生かす、と述べたのだ。

   一方、ネットでは、消費税が上がって毎日が節約で大変だとして、何を呑気に他人事のように話しているんだ、などと怒りの声も出た。

「お前が言うなよ、上げておいて」
「金持ちで死ぬまでお金の苦労を知らない人に、庶民の苦しみが解かるわけがない」

などと厳しい声も出ている。

当初予定を変更し、三越本店を選ぶ

   消費税引き上げ後に首相がデパートなどを訪れ買い物をし、増税後の消費促進をアピールするパフォーマンスは、過去にもあったことがある。消費税3%が導入された1989年4月に当時の竹下登首相や主要閣僚などがデパートや商店街などに繰り出し、実際に買い物をしたり会話を交わしたりをした。

   今回の8%への増税では麻生太郎財務相が4月1日の朝にコンビニでミネラルウオーターと漫画誌「ビッグコミック別冊ゴルゴ13シリーズ」を買ったことを会見で披露し、レシートがしっかりと8%で計算されていて「しっかり動き始めていてほっとした」などと語っていた。

   安倍首相は4月5日に都内のデパートで買い物をすることを発表していた。当初は渋谷の東急百貨店になると伝えられていたのだが、なぜか三越本店への来店となった。

   14年3月21日昼にフジテレビ系「笑っていいとも」に出演したさいに、番組を収録している新宿アルタ前で原発再稼働反対を唱えるデモが起きたことがある。今回は、そうしたことを避けようと東急百貨店の名前をあえて出し、実際に買い物をする予定だった三越本店に向かったのではないかとみられている。