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麻生副総理、TPP交渉で「オバマにまとめる力ない」 官房長官、火消しに追われる

   麻生太郎副総理兼財務相は2014年4月25日の閣議後会見で、大筋合意に至ることができなかった環太平洋経済連携協定(TPP)の日米協議について、11月にオバマ大統領が中間選挙を控えていることから、

「11月の中間選挙まで答えは出ないだろ?何だかんだ言ったって」

と協議が長期化する見通しを示した。この発言がオバマ氏の権力基盤の弱さを指摘しているともとられかないことから、菅義偉官房長官は同日夕方の会見で「麻生さん流に説明したのだと思う」などと釈明に追われた。

菅官房長官「私の会見が、日本政府を代表しているすべて」

会見で挙手する記者を指名する菅義偉官房長官(奥)
会見で挙手する記者を指名する菅義偉官房長官(奥)

   麻生氏の発言は、

「そんな(結論を)出せるほど、国内でオバマが全部まとめきれるほど、今、力はないだろう?だって中間選挙するんだもん。中間選挙の前に結論を出せるとは思いませんけどね~。その間いろんな話を継続してやっていく、ということにならざるを得ないと思っていましたから…」

というもの。中間選挙前はオバマ大統領の権力基盤が不安定になることを背景に、協議が11月まで継続することを織り込みずみだともとれる内容だ。

   この発言について、菅官房長官は「会見の議事録を取り寄せた」とした上で、

「日米ともに、国内にきわめて難しい政治状況。オバマ大統領といえども、そうした難しい…(状況がある)。選挙も控えている。そういう意味で説明したのだろうと思う。『いかに難しいか』ということを麻生さん流に説明したのだと思う」

などと火消しに追われた。

「ナンバー2の発言で『日本政府の本音が出た』という誤解を与えかねない」

という指摘には、

「私の会見が、日本政府を代表しているすべて」

と断言し、麻生氏の発言は日本政府を代表するものではなく、問題ないとの見方を示した。