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「努力は必ず報われる」論争に明石家さんま参戦 「そんなこと思う人はダメですね、間違い」

   「努力は必ず報われる」とは、よく教育やスポーツの現場などで使われる言葉だ。最近ではAKB48の高橋みなみさんが好んで使っているが、「その通りだ」、いや「努力したって報われないこともある」と、たびたび論争に発展する。

   タレントの明石家さんまさんも、ラジオ番組でこの言葉に対する否定的な思いを明かした。「努力が報われる」と思っている人は「見返りを求めてしまっている」というのだ。

「こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ」

   さんまさんの発言があったのは、2014年6月7日放送の「MBSヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)でのことだ。

   有名人の「名言」や「珍言」をリスナーがメールで紹介する「名言珍言ゆとっtter」というコーナーで、この日ゲストだったアイドルグループ「アップアップガールズ(仮)」の佐藤綾乃さんがインタビューで言っていたという、こんな話が紹介された。

「努力は必ず報われる。その言葉、最初は信じなかったんですよ。そんなこと言っても、本当に努力を見てくれてるのかよって。でも、自分の経験上、努力をしていれば必ず誰かが見てくれていて、報われることがわかりました」

   これに対しさんまさんは、「それは早くやめた方がええね、この考え方は」とバッサリ。佐藤さんやレギュラーメンバーのモーニング娘。道重さゆみさんが驚いていると、「努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い」と持論を展開した。

「好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね」

王貞治の持論は「努力が報われないことなどあるだろうか」

総選挙ミュージアムに掲げられていた稲田朋美氏の色紙
総選挙ミュージアムに掲げられていた稲田朋美氏の色紙

   さんまさんの発言に対し、ネット上では「すごく刺さった 妙に納得した」「まったくでございます」「さんまさん、カッコエエ」など、賛同や好意的な意見が多く書き込まれている。

   「努力は必ず報われる」論については、元プロ野球選手の王貞治さんが「努力が報われないことなどあるだろうか。報われない努力があるとすれば、それはまだ努力とは呼べない」と語っていた(安枝新伍さん著『野球魂―素顔の王監督』より)のを筆頭に、高橋みなみさんが2011年に行われた第3回選抜総選挙のスピーチで「努力は必ず報われると人生をもって証明する」と言ったのが評判となった。14年5月30日から6月15日まで東京・秋葉原にオープンしている「AKB48選抜総選挙ミュージアム」には、稲田朋美クールジャパン戦略担当大臣の「みんなで一緒に頑張れば必ず夢は叶う」と書かれた色紙が掲げられている。

   一方で、「そんなことはない」という意見も根強い。元NMB48研究生の原みづきさんは、結局正規メンバーに昇格できず12年4月にグループを離れる際、Google+で「努力は必ず報われるって憧れてる高橋さんが言ってたけど みづきはそうは思ってません」と反論していた。

   元陸上選手の為末大さんは13年10月、「努力で成功できるか」というテーマで連続ツイートを展開。

「成功をある程度成功率が高いものにおくのであれば、努力すれば夢は叶うと思う。でも五輪選手になるとか、かなり少ない席の話であれば誰でもできるわけではなくて、才能と、環境がまず重要だと思う」
「人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく」

と、「努力すれば報われる」論に縛られるべきではない、という考えを明かしている。