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「氷水チャレンジ」大流行に冷ややかな声 「意味がわからん」「強制性が嫌な感じ」…

   筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者を支援するためのチャリティー運動として、「頭上から氷水をかぶる」ことが世界的なブームとなっている。「氷水チャレンジ」とか「氷水ぶっかけ」と呼ばれている。

   日本でも著名人が次々と挑戦し、SNSなどにその模様を公開しているが、盛り上がりの半面、冷ややかな声も上がっている。氷水をかぶることに何の意味があるのか、「選ばれた人」たちのセレブ気取りが鼻につく、指名されたらやらなければいけない気持ちにさせられるのが嫌だ、などという人が少なくないようだ。

堀江貴文、孫正義、山中教授らが氷水かぶる

氷水をかぶるフローレンス代表理事の駒崎さん
氷水をかぶるフローレンス代表理事の駒崎さん

   「氷水チャレンジ」は、米マサチューセッツ州に住む野球選手で自身もALSを患うピート・フレーツさんらの発案で2014年7月末から始まった。挑戦者に指名された人は24時間以内に、バケツになみなみ入った氷水を頭から勢いよくかぶる動画をネット上で公開するか、支援団体の米ALS協会に100ドル(約1万円)を寄付するか選択しなければならず、さらに次の挑戦者を新たに3人指名する――というルールとなっている。実際は氷水をかぶりながら寄付も行っている人が多いようだ。

   日本ではNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんを皮切りに、堀江貴文さん、ソフトバンクの孫正義社長、京都大学の山中伸弥教授、ロンドンブーツ1号2号(ロンブー)の2人、浜崎あゆみさんら名だたる著名人が氷水をかぶっている。

   ネット上では「支援の輪が広まるのはいいことだ」などとしてこの運動を支持する声もあるが、「氷水かぶる意味が解らん」「次の人を指名する強制性が嫌な感じ」「セレブ気取りの『遊び』のような感じがする」「そんなことくらいするなら真っ先に皆寄付したらどうなんだろ」など、反発意見が目立つ。誰もが簡単に参加できるわけではないことに引っかかる思いの人もいるようだ。

武井壮「思うところあってかぶりません!寄付に思いを回します」

   指名されたが「氷水はかぶらない」と表明している著名人もいる。

   堀江さんから指名されたサイバーエージェント社長の藤田晋さんは8月19日、Facebookに「氷水をかぶるのはTL見てるだけでもう飽きちゃったので、私はこちらに100ドル寄付させていただきます」と、日本ALS協会の公式サイトへのリンクとともに投稿した。

   ロンブーの田村亮さんに指名されたお笑い芸人の武井壮さんは8月21日、「思うところあって氷水はかぶりません!その代わりにALSに限らない難病支援に、水不足や衛生に関する支援に、飢饉に対する支援に、さらに東北で被災された方々への寄付などにその思いを回します!!これを機会にご指名で、ではなく学んで寄付をさせて頂きます!」とツイートした。武井さんあてには「素敵です」「支持します!」など賛同のリプライが多数寄せられている。

   一方、氷水をかぶり寄付もしたロンブーの田村淳さんは「まぁ何をやっても批判批判… 批判されるのは覚悟の上でこの仕事をしてるけれども…行動を起こしもしない人たちが一方的にネットで批判…」と、「氷水チャレンジ」を批判している人々への批判ともとれるツイートを投稿した。

   日本ALS協会は8月18日、「皆さまへのお願い」として、「『アイスバケツチャレンジ』で、冷たい氷水をかぶることや、高額の寄付をすることは強制ではありません。皆様のお気持ちだけで十分ですので、くれぐれも無理はしないようにお願いします」との文書を公式サイトに掲載している。