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39歳スーパースター店長年収3700万 ユニクロ公表「年収早見表」がすごすぎる

   カジュアル衣料の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの採用情報が、「斬新すぎる」などとインターネットで話題になっている。

   それには新入社員として店舗に配属されてから、店長、スター店長、リーダー、スーパースター店長、執行役員と、自分が何歳で、どのポストに就くと、およその年収がいくらになるかがわかる「年収早見表」が掲載されているのだ。

社員の「グレード」別の平均年収を公開!

ファーストリテイリングはグレード別の年収を公表している(画像は、ファーストリテイリングの採用ページ)
ファーストリテイリングはグレード別の年収を公表している(画像は、ファーストリテイリングの採用ページ)

   ユニクロのホームページにある新卒採用「グローバルリーダー社員」の募集要項には、「初任給 月21万円」「勤務時間 実働8時間」「完全週休2日制、年次有給休暇、特別・慶弔休暇」「昇給・賞与・諸手当 年2回(4月/10月)人事評価に応じて決定、加えて業績により決算賞与あり」などとある。

   どの企業でもみられる募集要項だが、「REAL DATA」をクリックすると、「店長育成と昇格率・退職率」や「留学生採用」「経営者育成(FRMIC)」「働く環境」などについて、詳しく説明がある。

   その一つの項目が、「給与・待遇の考え方」。目に飛び込んでくるのは、「年収のお知らせ」という大きな見出しとともに18段階に分かれている、社員の「グレード」別の平均年収の一覧表。文字どおり、給与水準が丸裸になっているようなのだ。

   「完全実力主義」を掲げるユニクロにあって、表によると、たとえば大学を卒業して22歳で店舗勤務のグレード「J‐1」からスタート、平均年収は394万6669円になる。そこから店長代理や店長を経て、28歳でスーパーバイザーに就いたとすると、グレードは「S‐5」で平均年収は818万7568円に上昇。さらに36歳で部長クラスに就くと、グレードは「M‐5」となり1737万円。39歳でスーパースター店長ともなると、グレードは「E‐3」となり平均年収は3709万2540円にもなる。さらに、執行役員クラスの最上位「K‐4」は、64歳で2億4000万円に達する(国内ファーストリテイリンググループ、2012年9月~2013年8月)。

   この表をみれば、たしかに「1億円役員」は実在するのだろうし、「1億円店長」も手が届きそうな存在であることが伝わってくる。

   ファーストリテイリングではこの一覧表をホームページのほか、新卒採用時に配る冊子に掲載したり、採用説明会のときにパネルにして展示したりしている。「あくまで採用情報のひとつとして開示しているだけなので、これだけ(年収ばかり)が取り上げられるのは...」と困惑しているが、「(採用時に)何事も隠さずに話をしていきたい」というメッセージであることを強調している。

「第一志望で入社してほしい」

   ファーストリテイリングの、この採用情報は宣伝会議デジタル(2014年11月号 広報会議10月1日発売)の「採用広報のアイデア」としても取り上げられていて、インターネットでも話題になっている。

「ユニクロの本気度が伝わってきます」
「こうしてオープンにする姿勢はいいと思う。他のアパレルは震え上がっているんじゃなかろうか」
「なんだか煽りぎみの求人広告だな」
「なかなか思い切った開示。でも、大事なのは時給換算でいくらになるかじゃね...」
「斬新! こんなインパクトのある求人広告久しぶりに見ました!!」
「こういうの出してきて求人するのってすごいなあ~」

など、驚きの中にも好意的にみられているようだ。

   それにしても、あえて年収を前面にした採用情報などこれまであっただろうか――。実力しだいでキャリアアップできて、高収入も夢ではないことをアピールすることで、より多くの優秀な人材を募る狙いがあるとみられる。

   そういった「やる気」のある人材に、「第一志望で入社してほしい」というのが、ファーストリテイリングの想いだ。

   また、同社は積極的な海外展開を推し進めるなかで、賃金においても成果に見合った、グローバルな「同一水準賃金」を設定している。「グレードに応じた、求められる仕事の水準は(どの国でも)同じです」というから、一覧表にしてわかりやすくしたのかもしれない。