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アマゾンがネット通販用のポスト開発 日本郵便とタッグ、大きな投入口

   インターネット通販大手のアマゾン・ジャパンが投入口を大きくした住宅用ポストを開発した。

   ネット通販で注文した小型の商品がポストに入らないケースが増えているためで、配達する日本郵便と共に設置に向けた支援策を打ち出すなど普及を急ぐ。

戸建て用は3万円強

個別ポストはネット通販の強い味方?(画像はアマゾンの商品紹介ページより)
個別ポストはネット通販の強い味方?(画像はアマゾンの商品紹介ページより)

   ポストはアマゾンと住宅設備メーカーが共同開発した。この2社に日本郵便を加えた3社は、配達効率を上げるために物流インフラを向上させることで合意しており、ポスト開発は「この取り組みの第1弾」(アマゾン)だという。

   開発されたポストは、戸建て住宅用と集合住宅用の2タイプ。投入口を大きくするなどしてアマゾンからの小型の商品のほとんどが入るよう設計されているという。

   戸建て住宅用は3万2080円(7日時点)で発売され、10月1日からアマゾンで取り扱いが始まる。集合住宅用はデベロッパーを通じて設置を進めていく。ただ、受領印が必要なような荷物は従来通り投函しない。

   ネット通販が普及するのに伴い、商品がポストに入らず、注文者の不在時には持ち帰って再配達するケースが増加している。アマゾンは小型の商品をメール便で配送しているが、ポストを共同開発した住宅設備メーカーによると、現状ではこれらメール便の「65%がポストに入らない」状況という。すぐに再配達してもらえないこともあるから注文者にも不満が残り、ネット通販のネックの一つになっている。

ポイント還元で普及図る

   アマゾンから配達を請け負っている日本郵便も、ライバル業者のメール便に対抗しようと、6月から荷物の厚さを1センチ厚くし3センチまでにした「ゆうパケット」の提供を始めた。しかし、結果としてポストに入らないことが増え、「再配達の手間もコストも増えている」(関係者)という。こうした事情から、迅速で便利な配達サービスの充実や物流コストの削減を狙うアマゾンと思惑が一致し、手を組んで物流インフラ向上に乗り出したとみられる。

   ポスト普及に向け、アマゾンは10月31日まで戸建て住宅用を購入した会員に3900円分のポイントを還元する。日本郵便も集合住宅に同社が定めた規格のポストを設置した場合には来年度に1戸当たり500円を補助する。

   ネット上では「家にいないことが多いので、これはいい」「この発想はすごい」「アマゾンの常識を疑おうとする社風には敬服する」などと肯定的な声が上がっている。しかし、一方で「ポストの前にまずは梱包を見直すべきでは」「(価格が)高い!」「メール便とか薄い商品限定だな」といった意見もある。