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民主党は総選挙で本当に議席を伸ばせるか 週刊誌や夕刊紙は「大幅増」予測するが...

   衆議院が解散して事実上の選挙戦がスタートしたが、ここに来て、週刊誌などで民主党が議席を伸ばすとの予測が相次いでいる。ネット上では、民主党政権時代のアレルギーから否定的な声が多いが、どうなるのだろうか。

   「1議席でも増やせれば現状よりはいい」。産経新聞の記事によると、民主党の枝野幸男幹事長は2014年11月19日、記者団に対し、弱気とも取れるこんな発言をした。

「これ以上議席を減らしたら、民主党は終わりだ」

民主党は浮上する?
民主党は浮上する?

   総選挙での勝敗ラインや議席目標についても、海江田万里代表と同様に、明言しなかった。

   民主党が11月上旬までに独自調査をしたところ、現有55議席のうち半数が自公に負けているという結果が出たとも報じられている。産経の記事でも、民主党の閣僚経験者が「党が実施した世論調査結果も芳しくはない」とぼやいたといい、「これ以上議席を減らしたら、民主党は終わりだ」と告白した。

   枝野氏らの発言は、党内に漂う悲壮感を反映したものだということらしい。

   ところが、週刊誌などの議席予測では、民主党は議席を積み増すとされている。

   東洋経済オンラインの18日付記事では、政治評論家の有馬晴海さんが、民主党は31議席増やして86議席になると試算した。その背景として、地方選では最近、自民党は苦戦が続いており、自己都合による総選挙も批判が出る可能性があるという。そのうえで、自民党は、現有294議席から23議席減らして271議席になると見込んだ。

   週刊朝日の18日発売号でも、同様な予測がされている。政治評論家の浅川博忠さんは、プラスマイナスで10議席の幅があるとしたうえで、民主党は30議席増やして85議席になる試算結果を明かした。維新の党が議席を大幅に減らすと見込まれることもあって、そうなるという。対して、自民党は、24~34議席減らして260~270議席になる見通しを立てている。

大台を超えて110~125議席を獲得する見込み??

   さらに、民主党の議席は大幅増になる、という見通しを立てる報道まであった。

   夕刊フジは2014年11月21日発売号の記事で、政治評論家の小林吉弥さんの分析として、民主党は、大台を超えて110~125議席を獲得する見込みだとした。これは、ここ数日になって、みんなの党や生活の党から民主党に移籍する動きが出てきたことを加味してはいる。また、選挙区の半数ほどで野党の候補者一本化が成功するとも仮定している。一方、自民党は、27~54議席も減らして241~268議席に留まる予測をしている。

   マスコミ各社で19、20両日に行われた世論調査でも、比例代表で民主党に投票するとした回答が一定の割合を占めている。朝日新聞の調査では、比例の投票先として、自民党37%、民主党13%、共同通信の調査でも、自民党25.3%、民主党9.4%あった。

   もっとも、いずれの議席予測でも、公明党は現有31議席をほぼ確保すると見込まれており、自公の与党で、「絶対安定多数」とされる266議席は確保する見通しだ。

   民主党自体も、今後の状況などによっては、伸び悩む可能性が残っている。1つには、投票率が低くなるケースがあり、そうなれば、組織票が多いとされる自公に有利となる。共同の調査では、総選挙に関心があると答えたのは、66.1%で2年前の前回の78.2%を下回っている。

   維新の会共同代表の橋下徹氏が出馬すれば、風向きが変わるともされており、選挙協力が進まなければ、民主党は埋没する恐れがありそうだ。ネット上でも、アベノミクス失敗を唱える民主党に対し、「では、代案となる経済政策は?」「民主党は過去に戻るつもりか」と否定的な声が多く、自民批判票の受け皿にならない可能性もある。