J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

佐野研二郎氏、トートバッグのデザイン8種類を取り下げ決定 ほかにも「盗用」指摘があり、騒動沈静化せず

   佐野研二郎氏がデザインし、現在サントリーによるキャンペーンの賞品となっている計30種類のトートバッグについて、佐野氏の主宰するデザイン事務所「MR_DESIGN」(東京都渋谷区)が2015年8月13日、うち8種類のデザインを取り下げるようサントリー側に依頼したと公式サイト上で発表した。ネット上では数種類のデザインに関し「盗用」が指摘されていた。

   佐野氏デザインの商品をめぐってはトートバッグ以外にも「盗用」疑惑の指摘が寄せられており、東京五輪エンブレムに始まった騒動は収まりそうにない。

  • 修正前のトートバッグ一覧(画像はサントリーのキャンペーン公式サイトより。現在は修正)
    修正前のトートバッグ一覧(画像はサントリーのキャンペーン公式サイトより。現在は修正)
  • 修正前のトートバッグ一覧(画像はサントリーのキャンペーン公式サイトより。現在は修正)
  • 修正後のトートバッグ一覧(画像はサントリーのキャンペーン公式サイトより)

「東京五輪のエンブレムも辞退せよ」の声

   トートバッグは、サントリーが2015年7月7日から8月31日まで開催しているキャンペーンの賞品。ノンアルコール炭酸飲料ブランド「オールフリー」を対象に、商品に貼られたシールを48点分集めると計30種類の中から1つもらえる仕組みとなっていた。

   発表によると、取り下げを決定したのはネット上で「盗用」が指摘されていた鳥、フランスパン、赤色の標識を含む計8種類。

   トートバッグのデザインは「身近にあるアイデアや素材をモチーフにしたもの」と説明しつつも、すでに専門家を交えた事実関係の調査、検討を開始していると明かした。「盗用」があったかどうかには言及していない。

   発表を受け、ネット上では佐野氏デザインによる東京五輪の公式エンブレムもベルギーのデザイン会社から「盗用」が指摘されていることとからめて、

「東京五輪のエンブレムも辞退せよ」

といった声が寄せられ、騒ぎは収まりそうにない。

   一方、サントリーも13日、公式サイト上に謝罪文を発表。佐野氏からの申し出で一部賞品の発送を中止したことと、キャンペーン自体は継続することを発表した。

   サントリーのキャンペーン公式ページでは、すでにトートバッグが「全22種類」となっており、取り下げが決定したデザインは削除されている。

腕時計のデザインにも「盗用」指摘が

   佐野氏デザインの商品に関し、ネット上ではトートバッグ以外にも「盗用」疑惑が浮上している。その代表とも言えるのが、2010年6月に発売した「kuro obi(クロオビ)」という名の腕時計だ。

   これについては、有名ファッションブランド「カルバン・クライン」が同年5月に発売した腕時計「K9423107」に酷似しているとの指摘が出ていた。

   比較して見る限り、円形の型の中に時計バンドが透けて見える構造や針の大きさがよく似ている。

   ツイッター上では、2つの商品を見比べたユーザーが

「う~ん似てるよなぁ」
「(「盗用」という指摘は)説得力ある」

といった声を寄せている。これが「盗用」の類にあたるのかは現段階でははっきりしていない。佐野氏もこの件に関して言及していない。