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佐野氏擁護の森本千絵氏にも「盗用」の指摘 ユーミンのアルバムジャケットなどがやり玉に 

   五輪エンブレム問題から広がった「盗用」騒ぎで、今度はアートディレクターの森本千絵氏(39)が手がけたユーミンのアルバムジャケットなどに疑いがあると、ネット上で指摘が相次いでいる。

   森本千絵氏は、デザイン面では、五輪エンブレムを手がけた佐野研二郎氏(43)の後輩に当たる。

  • ユーミンのアルバムにも指摘が
    ユーミンのアルバムにも指摘が
  • ユーミンのアルバムにも指摘が

らせん階段の上から長いウェディングドレスの裾を下ろしている構図はそっくり

   問題が指摘されたとき、森本氏は、2015年7月29日のツイッターで、「真似する人じゃない」と佐野氏を擁護する発言をしていた。逃げ隠れもしない実直な人柄だとして、「尊敬する先輩なんで、そこだけは誤解されたくない」と訴えていた。

   この発言は、佐野氏にトートバッグなどの疑惑が続いたことから、ネット上で批判に晒された。その後、森本氏は、フェイスブックには同じ発言をまだ載せているものの、ツイートについては削除した。

   ところが、これだけで森本氏への批判は終わらなかった。8月13日ごろになって、森本さんも、佐野さん同様に過去の作品で「盗用」をしていたのではないかとの指摘が出たのだ。

   それは、松任谷由実さんが13年11月に発売したアルバム「POP CLASSICO」のジャケットデザインに、写真家などの作品に酷似した部分があるというものだ。ジャケットでは、POP CLASSICOの各ローマ字がデザインされているが、「I」の字内にイギリスの写真家ティム・ウォーカー氏の作品「Lily Takes a Trip」(05年)に酷似した女性が出てくるとされた。

   確かに、らせん階段の上から長いウェディングドレスの裾を下ろしている構図はそっくりだ。その階段の模様もほぼ同じだった。

   また、「C」の字内の女性は、ティム・ウォーカー氏の作品「Imaginary Fantastic Bizarre」(05年)に酷似しているとの指摘が出た。女性が大きな真珠のペンダントを首にかけているところは、同じ構図だった。

コラージュ作品とされ、盗用と言えないのではないかとの意見も

   さらに、このジャケットでは、「A」「L」「P」の字内も、ドイツの生物学者エルンスト・ヘッケルさんが描いた生物画に酷似したイソギンチャクなどのデザインが見られた。ただ、100年ほども前の生物画なので、著作権は発生しないともみられる。

   ネット上では、さらに「盗用」疑惑の指摘が続き、Mr.Childrenが08年12月に発売したアルバム「SUPERMARKET FANTASY」のCDやDVDのジャケットデザインが、フランスの写真家デニス・ダーザク氏の作品に構図がよく似ているのではないか、というのだ。ショーン・エリス監督のイギリス映画「フローズン・タイム」のポスターのオマージュになっているとの声もあった。

   このほか、森本千絵氏が14年に服飾デザイナーの丸山敬太氏のためにデザインした「丸山景観」の作品に出てくるシロフクロウは、ドイツの写真家Tanja Askani氏の作品を反転させて描いたのではないかとも言われている。

   ただ、いずれも、著作権を侵害しているかどうかははっきりしていない。

   また、ネット上では、デザイン業界はどうなっているのかと疑問や批判が相次ぐ一方で、松任谷由実さんのアルバムなどはコラージュ作品とされていることから、盗用とは言えないのではないかとの意見も出ている。

   森本さんが代表をしている「goen°(ゴエン)」では、取材に対し、「お盆休みで担当者がおらず、詳しいことは分かりません」とスタッフの1人が応じた。松任谷由実さんのアルバムを出しているユニバーサルミュージックやMr.Childrenのアルバムを出しているトイズファクトリーでは、それぞれ「その件については、弊社の方では存じていません」「森本さんにデザインしていただいたのは事実ですが、それ以上はお答えできないです」と取材に答えた。