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ラグビー外国人選手の「君が代」熱唱は特訓の成果だった 「国籍なんて関係ない」「胸熱!」「泣きそう」...

   ラグビーワールドカップ(W杯)で、強豪の南アフリカを破る歴史的快挙を成し遂げた日本代表。2015年10月3日にはサモアにも圧勝し、初の決勝トーナメント進出に向け、快進撃を続けている。

   日本代表には、ニュージーランド出身のリーチ・マイケル主将をはじめ、複数の海外出身選手がいる。インターネット上では、こうした選手たちが「君が代」を熱唱する姿に注目が集まっている。

  • 肩を組み「君が代」を斉唱する日本代表選手(写真:アフロ)
    肩を組み「君が代」を斉唱する日本代表選手(写真:アフロ)
  • 肩を組み「君が代」を斉唱する日本代表選手(写真:アフロ)

日本代表31人中10人が外国出身者

「外国人選手も君が代を歌ってて胸熱!!国籍なんて関係ない」
「代表として敬意を払ってくれているんだなあと感動」
「外国出身の代表選手が君が代を歌ってる姿を見てもう泣きそう」
「色々な人種や出身国の選手が肩を組んで君が代歌ってるのいいよな~」

   サモア戦のあった10月3日、ツイッター上にはこうした声がいくつも寄せられた。

   日本代表選手になるために、国籍は必ずしも必要ではない。国際統括機関「ワールドラグビー」では、「本人が当該国生まれ」「両親か祖父母の1人が当該国生まれ」「本人が3年以上継続して当該国に住んでいる」という3条件のいずれかを満たせば、代表資格があるものと定めている。ただし、他国での代表歴がある場合はNGだ。

   日本代表では、選手31人のうち10人がニュージーランドやオーストラリアなどの海外出身者。うち5人は日本国籍を取得している。

   出身国はバラバラでも気持ちは一つだ。試合前の国歌斉唱では、肩を組んだ選手たちが揃って君が代を歌う。真剣な表情で口をしっかりと開けて歌う姿は、日本出身の選手も外国出身の選手も変わらない。

   しかも彼らは、ただ丸暗記して歌っているわけではない。主将のリーチ・マイケル選手は以前、産経新聞の取材に対して「試合の前の合宿中には、必ず全員で君が代の練習をします」と語っている。

リーチ主将が意味までレクチャー

   記事に添えられた写真には、他の選手に「君が代」をレクチャーするリーチ選手の姿があった。模造紙にはローマ字書きの歌詞。その下には英訳が書かれていた。リーチ選手は取材時に「君が代の中身を自分たちにつなげて、歌詞を理解して歌わないとダメだと思います」とも話したそうだ。

   記事は15年1月に公開されたものだが、W杯での活躍を機に再び注目を集め、反響を呼んでいる。

   ただ一方では、外国出身選手が全体の3分の1を占めていることに対し「さすがに多すぎる」「もはやどこ代表かわからない」「感情移入しにくい」といった声もある。

   30人の代表選手のうち10人が外国出身選手だった2011年、スポーツ雑誌「Number」がウェブサイト上で行ったアンケートでは、「勝つためには当然」の回答が45%で最も多かったものの、「さすがに多すぎる」が42.5%と僅差だった。「日本人だけで戦ってほしい」は12.5%だった。

   そうした背景もあってか、日本代表のW杯最多得点記録を更新した五郎丸歩選手は21日、ツイッターで、

「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを」

と呼びかけ、

「彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」

と、出身国は違っても日本にかける思いは一つであることを強調した。