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加齢の顔のたるみは、皮膚の空洞に脂肪がたまるから 資生堂が新発見

   女性の肌の最大の悩みである、年とともに増えていく顔のたるみ。実は、その理由はよくわかっていなかったが、資生堂と国立がん研究セーターの合同チームが皮膚の中に空洞ができて脂肪に置き換わることを突きとめて、2015年10月21日に独ライプチヒで開かれて国際再生医療会議で発表した。

   研究チームによると、肌内部の真皮は、コラーゲンや弾力繊維で構成され、皮膚に弾力を与えて顔の形を支えているが、加齢により真皮がどのように変化していくかは、十分に解明されていなかった。30~50歳代の女性30人のほおを超音波で測定したところ、30代の真皮は細胞組織が密に詰まっているが、40歳代以上になると、加齢とともに徐々に細胞組織に空洞ができていくのがわかった。また、空洞が大きい人ほど肌の弾力も悪くなり、外見上もたるんできた。そして、空洞に脂肪がたまり、重みによってたるみがさらに大きくなった。

   この空洞を細胞組織で補う方法を探るため、皮下脂肪組織の細胞と真皮の細胞の培養実験を行った。すると、皮下脂肪組織の中にある様々な細胞に分化する能力のある幹細胞が、真皮の幹細胞の働きを高めてコラーゲンを生み出し、真皮のような厚みのある構造体を多く作り出すことを突きとめた。

   そこで、空洞の改善を期待できる成分を探すと、シソ科の植物の「ローズマリー」から抽出した成分に皮下脂肪組織の幹細胞を真皮側に引き寄せる効果があることがわかった。資生堂では新たなスキンケア商品にこれらの成果を活用する。