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席譲ったら「ふざけるな」と激怒される 「モンスター老人」巡る投書が大反響

   中学生の少年が朝日新聞に寄せた、「困った高齢者」に関する投書が波紋を広げている。バスで席を譲ろうとしたら「ふざけるな」と怒鳴られてしまったという内容で、紙面に掲載された直後から大きな反響があった。

   同紙には、100通以上の投書があり、「『モンスター老人』敬うのは無理」と高齢者にウンザリする声もあった。

  • 10月29日の投書が大きな反響を呼んだ
    10月29日の投書が大きな反響を呼んだ
  • 10月29日の投書が大きな反響を呼んだ

「私にとって高齢者は反面教師でしかありません」

   話題の投書は2015年10月29日、「席譲ったら『ふざけるな』とは...」のタイトルで朝日新聞朝刊に掲載された。

   少年は下校中のバスで、バッグを背負った60代ぐらいの男性に席を譲ろうとしたところ、「ふざけるな」と怒鳴られた。さらに

「本当は座りたいはずなのにヘコヘコ席をわたしてねえ。嫌々なことぐらい、これくらい年とったら分かるのっ!!」

といわれてしまった、という内容だった。

   掲載直後からツイッターをはじめネットでは大きな反響を呼んだ。

「優しい子の気持ちを踏みにじってこれで大人?」
「最近の高齢者っておかしいの多いよね、自分たち中心で世界が回ってると勘違いしてる」

と、男性を非難する声が多かった。

   12月2日の朝日新聞朝刊によると、投書には全国から111通の意見が寄せられた。多くは親切な少年を励ます内容だったという。

   その中には「『モンスター老人』敬うのは無理」とあきらめる見方もあった。ある30代主婦は、バイト中にチラシを配っていたらいきなり怒鳴られたり、犬の散歩中に犬を蹴られたりした経験があるそうで、

「私にとって高齢者は反面教師でしかありません」

と厳しく非難する。

席を譲ってもらった挙句「居心地悪い」という老人も

   「モンスター老人」をめぐる新聞投稿は、これまでもたびたび話題になってきた。

   2012年12月27日、朝日新聞に掲載された60代男性の投書はその代表だ。男性は混雑した新幹線に乗った際、空席を求めて行ったり来たりしたそうだ。小型犬や子どものために指定席を確保している乗客に不満をにじませ、子どもを母親のひざの上に座らせてようやく獲得した席についても「居心地の悪さ」を感じたとつづる内容だった。

   掲載直後、ネット上で「図々しい」「子どもが座っているのをどかせたのか」と非難する声があふれた。

   同じく朝日新聞で2014年11月14日、飲食店で働く40代女性が自らの体験談を交え、マナーが悪いのは中高年の男性だと指摘。「嘆くべきは常識のない若者ではなく、お手本にならない大人たちではないでしょうか」と投稿し、賛同を集めた。

   もちろん同世代ながら、モンスター老人を批判し、若者を応援する高齢者もいる。「席譲ったら『ふざけるな』とは...」の投書について、「同じ老人として、本当に恥ずかしい」とした70代女性の意見も掲載された。この女性は若者のマナーのよさに接することは多いという。

「老人の10人のうち9人は、あなたの優しさに心を温められたと思いますよ。たまたま、例外の1人に出会ってしまったのです。めげないでね」

と少年を気づかい、励ます内容だった。