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「青海」と「青梅」、駅間違えてライブ間に合わず アイドルMEIら出演者の勘違い続出

   「青海」(あおみ、東京都江東区)と「青梅」(おうめ、東京都青梅市)――。一字違いの地名だが、読み方も場所もまったく異なる2つの地名をめぐり、ちょっとした「騒動」が起こった。

   舞台は「青海」で行われたアイドルフェス。誤って「青梅」に直行し、出番に間に合わなくなるアイドルが現れたのだ。しかし、過去に同じような騒動が起こったこともあり、ネットで「確かに間違えやすい」「あるある」と同情の声が広がっている

  • ここはお台場…じゃない!(写真はJR青梅駅ホーム。Wikimedia Commonsより)
    ここはお台場…じゃない!(写真はJR青梅駅ホーム。Wikimedia Commonsより)
  • ここはお台場…じゃない!(写真はJR青梅駅ホーム。Wikimedia Commonsより)
  • 「R-Village Girls」の4人(MEIさんは左から2人目)

「青梅にビーナスフォートはありません」

「あ、おわったな、って思いました」

   4人組アイドルグループ「R-Village Girls」のメンバー・MEIさん(22)はJ-CASTニュースの取材に、こう振り返る。

   MEIさんは2016年10月1日、東京・お台場で行われるアイドルフェス「第1回 アイドルアワード」の会場に向かうため、家を出た。グループの出演時間は11時55分から12時10分まで。会場は新交通システムゆりかもめの「青海駅」にほど近い特設ステージ「ビーナスフォート」だ。時間に余裕を持たせたつもりだった。

   しかし、乗換案内を頼りにたどり着いたのはJRの「青梅駅」。しかし、待ち合わせのはずの駅に他のメンバーは現れず、時間だけが過ぎていく。

「みんなこないなー、って(駅の)ベンチに座って待ってました」

   しびれを切らして「ビーナスフォートへ行きたい」と駅員に伝えるも、「青梅にビーナスフォートはありません」と指摘された。ようやく同グループのマネージャーからも「今どこにいるの?」と携帯電話に連絡があり、ようやく「ここがお台場ではない」ことに気付いたという。冒頭の一言は、その時の心境だ。

「青海駅という場所があること自体知らなかったです。そういえば青梅はとても静かで、イベントをやっているような感じはしませんでした」

   1日の11時20分ごろ、MEIさんの報告をうけて、同グループの公式ツイッターアカウントがこう投稿した。

「メンバーのMEIが、青海と青梅をまちがえて、今、八王子にいます。急いで向かっていますが1回目のステージは間に合いません」

   慌てたMEIさんは「1時間半ぐらい」かけてお台場へ引き返したものの、結局ステージに間に合わなかった。

   ここ一番の時の大きなミス、相当落ち込んでいるに違いない――。そう考えた記者は、取材の最後に現在の心境を聞いてみた。すると、

「こんなことになったので、次もまた間違えないといけないかな、とプレッシャーがあります。今後、間違えやすい駅でのライブ開催を待ちたいと思います」

と何とも「たくましい」一言が返ってきた。

過去には主催者がパンフレットに誤表記も

   青海と青梅。見た目は漢字の「偏(へん)」以外同じという2地点だが、実は全然違う。読み方はもちろん、方向も真逆だ。東京駅を地図の中心にすると、青海は南東、青梅は北西にあたる。

   そして、青海駅と青梅駅は直線距離で50キロ以上離れており、電車を乗り継いで向かうとおよそ2時間かかる。勘違いしたまま行動すると、1日の予定が完全に狂ってしまいそうだ。

   「アイドルアワード」の出演者に限っても、間違えたのはMEIさんだけではなさそうだ。

   ライブ当日、「青海と青梅をごっちゃにしてしまっていて」「青海と青梅を間違えてしまいまして...交通時間3時間半かかり」「青梅駅と青海駅勘違いしてたみたい」といった出演者のツイートが相次いでいた。出演時間に間に合わなかった人が他にいたかもしれない。

   一方、そうした報告には

「絶対間違えますって」
「あるある」
「確かに間違えやすい」

と共感、同情の声が相次いだ。

   というのも、青海と青梅の勘違いが騒動に発展した事例は過去にもあるからだ。14年3月、青海駅に近い「海の森公園」(江東区)の砂浜で催されるゲームイベントに参加する人々が、青梅駅に集結した。

   山里に近い青梅駅が、ビーチサンダルをはいた乗客であふれる珍現象。この時の原因は、参加者へ事前に郵送配布されたパンフレットの中で、主催者サイドが、会場の最寄り駅を「青梅駅」と誤って表記していたからだった。