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「わさびテロ」寿司店に突撃謝罪要求 ネット中継した韓国人に本国でも批判

   外国人観光客向けのすしに大量のわさびが入っていた、いわゆる「わさびテロ騒動」の余波が続いている。韓国人のテレビプロデューサーの一行が、問題となったすしチェーンの複数の店舗を突然訪問。店内の様子を無許可でネット生中継しながら、騒動について繰り返し謝罪を要求した。

   さすがにこういったやり方には、韓国国内でも「何の資格があって謝罪要求をしているのか」などと批判する声が上がっている。

  • シャリからネタをはがして「さび抜き」を確認するテレビプロデューサーの李永敦(イ・ヨンドン)氏。わさびはガリの下に隠れている(李氏のネット配信番組から)
    シャリからネタをはがして「さび抜き」を確認するテレビプロデューサーの李永敦(イ・ヨンドン)氏。わさびはガリの下に隠れている(李氏のネット配信番組から)
  • シャリからネタをはがして「さび抜き」を確認するテレビプロデューサーの李永敦(イ・ヨンドン)氏。わさびはガリの下に隠れている(李氏のネット配信番組から)

公共放送や民放勤務経験のあるテレビプロデューサーが突然...

   自らのネット番組で店舗からの生中継を強行したのは、テレビプロデューサーの李永敦(イ・ヨンドン)氏。公共放送のKBSや民放のSBSに勤務した経歴を持つ。李氏一行は2016年10月11日に、騒動が起こった「市場ずし」難波店を訪問。店の板前は、突然の撮影に

「他のお客さん映るから!嫌がる人もいるから」
「あのねえ、こういう取材なら身分を明かして頼んでやるべきであって、食事しにきたのか取材に来たのかいっしょくたになっている。不愉快ですよ」

などと抗議したが、李氏側は撮影を続行。出されたすしは、皿の上の「ガリ」の横にわさびが乗った状態だったが、李氏はシャリからネタをはがして「さび抜き」だということを確認すると、隣の日本人と思われる客に通訳を介して「自分はわさびは入っていないが、どう思うか」などと話しかけながら、板前に

「なぜ韓国人に対してわさび抜きで寿司を提供するのか」
「前のこと(「わさびテロ」騒動)に関して韓国人に謝るつもりはないのか」

と詰め寄った。板前は、

「うちの会社の方針やから」
「僕らは分かりません」

と応じるにとどめた。一行は出されたすしにほとんど手をつけないまま難波店を後にし、騒動とは関係ない「市場ずし」の別の店舗に移動。その店の板前も

「それ(騒動)は向こうの店。ここじゃないよ?」
「勝手に取材されても...。うちの事務所に了解とってもらわないと...」

と困惑しながらも、

「その一件があってからは、わさびを抜いて、後からつけてもらうようになっている」
「韓国の方は、ほとんどの方が『わさびをください』とおっしゃる」

などと「さび抜き」の理由を説明した。

「謝りの一言をお願いしてもいいですか」

   それでも李氏は

「(わさびを)ある程度入れるのが当然。山盛りで入れていたのは怒りを呼んだ」
「謝りの一言をお願いしてもいいですか」

などとカメラの前での謝罪を要求し、板前は

「今回の件に関しては、至らなくて申し訳なかったと思っています」

と頭を下げた。

   一連の出来事は韓国メディアでも報じられたが、むしろ李氏の行動を疑問視する声があがっている。例えばYTNテレビは、

「ネット利用者は、前回の問題になった『すしでわさびを完全に抜いてくれる』という議論について解明されたところまでは良かったが、李氏が怒った顔で謝罪要求するのは良くない、という声が出ている」

と報じている。その中には、

「このディレクターは何の資格があって、あの謝罪を要求しているのだろうか」

といった声もあるという。