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DMMが「はちま起稿」を持っていた 突然の発表にネットが怒ったわけ

   ネット界に衝撃が走った。大手まとめサイトの「はちま起稿」を、IT企業「DMM.com」(以下、「DMM」)が運営していたことが分かったからだ。

   2016年1月に買収したが、既に売却したことも明らかに。多くのネットユーザーは、この発表に嫌悪感を示した。その理由は?

  • 意外な事実が発覚(画像ははちま起稿のトップページ)
    意外な事実が発覚(画像ははちま起稿のトップページ)
  • 意外な事実が発覚(画像ははちま起稿のトップページ)

売却先のサイトは「システム障害」で閲覧不能

   DMMは16年12月28日夕、「Webメディア『はちま起稿』サービス運営・事業譲渡に関するお知らせ」と題するプレスリリースを公式サイトに発表した。

   その中で、はちま起稿をネット広告の代理店「インサイト」へ売却していたことを明かした。なお売却先となったインサイトの公式サイトは29日17時現在、「アクセス集中によるシステム障害」のため閲覧できない。

   はちま起稿は、掲示板サイト「2ちゃんねる」のレス(投稿)をまとめるブログメディアとして07年に誕生。以後、内容を少しずつ変えたり、大きな騒動を取り上げたりして知名度を上げた。現在は主に、他のネットメディアの記事やSNSで話題の投稿を転載している。12年まで管理人を務めていた清水鉄平さんは14年3月に著書「はちま起稿 月間1億2000万回読まれるまとめブロガーの素顔とノウハウ 」(SBクリエイティブ)を上梓し、話題を集めた。

   しかし、急成長の裏で他のネットメディアとの「あつれき」も生じた。問題視されたのは、記事の無断転載の疑いだ。例えばゲーム情報サイト「4Gamer.net」を運営する「Aetas」は16年4月にスタートさせた情報サイト「GamesIndustry.biz Japan Edition」に「はちま起稿,オレ的ゲーム速報 刃などへの転載はご遠慮ください」と明記した。この「注意書き」は12月29日18時現在も残されたままだ。

   こうした経緯もあり、はちま起稿は一部のネットユーザーから非難されてきた。今回の発表を受け、ツイッターでは

「気分が悪い」
「やっちゃいけない事やってんな」
「最低じゃないか」

とDMM、はちま起稿双方への強い批判が巻き起こっている。

はちま起稿側は「えー知らなかった、マジかよ!」

   一方、はちま起稿はDMMの発表をうけて12月28日、「DMM.comがはちま起稿との関係を認める!『2016年1月に買収したが...』」と題する記事を公開し、「えー知らなかった、マジかよ!」とまるで他人事のようなコメントを発表した。

   さらに、29日の記事には清水さん自身も「鉄P」という名前で登場。本件をいち早く報じたニュースサイト「ねとらぼ」に言及しながら、

「ねとらぼもはちまも書いてる記事の内容は他のまとめサイトとさほど変わらない同業者でもあります、飽和しつつあるまとめサイト業界では他サイトの足を引っ張っる(原文ママ)ような記事を書くことも多く、はちま起稿のような高卒のアホがつくった巨大なサイトはいい標的になりやすいんだろうなぁ」

と、持論を展開していた。