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箱根駅伝「山の神不在説」 歴代3人が「バケモノすぎた」?

   2017年も箱根駅伝が始まった。青山学院大が3連覇を果たした往路(1月2日)の見どころだったのが、5区の山登りだ。各メディアも、インターネットも、新たな「山の神」が出現するかに注目した。

   「山の神」とは、一般的には「初代」の今井正人さん(順天堂大学出身、32)、「2代目」の柏原竜二さん(東洋大学出身、27)、「3代目」の神野大地さん(青山学院大学出身、23)を指す。この3人に匹敵するランナーは現れたのだろうか。

  • 小田原中継所でたすきを受ける大塚祥平選手(中央右、撮影:YUTAKA/アフロスポーツ)
    小田原中継所でたすきを受ける大塚祥平選手(中央右、撮影:YUTAKA/アフロスポーツ)
  • 小田原中継所でたすきを受ける大塚祥平選手(中央右、撮影:YUTAKA/アフロスポーツ)

下馬評では「駒大・大塚が山の神に」

   大会前から注目されていたのは、駒澤大学4年の大塚祥平選手(22)だ。各スポーツ紙は開催前から、4代目「山の神」として、大塚さんの名前を挙げていた。

「駒大・大塚祥平、4代目山の神に名乗り」(デイリースポーツ16年12月12日、以下いずれも電子版)
「駒大、急成長3年大塚が新山の神に名乗り」(日刊スポーツ12月12日)
「『山の神伝説』4人目は大塚祥平」(スポーツ報知12月13日)
「駒大・大塚は新たな『山の神』に」(中日スポーツ12月22日)

   結果として大塚選手は4人抜きを果たし、1時間12分46秒で区間賞を受賞。確かに今年の5区を制したといえる。

   また、大塚選手とわずか3秒差だった上武大学4年の森田清貴選手(21)にも、注目が集まった。たすきを受けた小田原中継所では16位だったが、往路ゴールでは8位にまで躍進。ほぼテレビでは中継されなかったため、ツイッターでは「いつの間に」「山で何があったんだ」といった驚きの声が出た。

初代・今井が速すぎたのか

   大塚選手の活躍の一方で、ツイッターを見てみると、一番目立つ感想は「山の神不在」。

「元祖・山の神の今井くんの記録がバケモノ級だと再び思い知らされた」
「今井や柏原が異常だと分かっているが山の神の居ない箱根はつまらんな」

   大塚選手のタイムは確かに早いが、これまでの「山の神」と比較すると、「神」として認定するまででもない、との意見だ。

   「初代」今井さんは、今回と距離の長さが近い第81回大会(当時は20.9キロ)で、3分短い1時間9分12秒を記録。「2代目」柏原さんは23.4キロを1時間16分39秒(第88回)、「3代目」神野さんは23.2キロを1時間16分15秒(第91回)で走っている。コース変更による影響を考えても、20.8キロでこのタイムは、歴代の「神」よりスローペースに感じられる。

「山の神」不在の「メリット」も

   とはいえ、「山の神」不在は、悪いことばかりではない。たとえば「一斉(繰り上げ)スタート」。先頭走者の往路ゴールから10分以上遅れたチームは、一斉に復路をスタートすることになるのだが、今回は「神」の独走がなかったため、対象となるのは16年の13チームから5チーム(学連選抜を含む)に減った。

   繰り上げチームが増えるほど、テレビ中継では「実際の順位」や、シード権を取れるかが見にくくなるため、その点から「山の神」不在を評価する駅伝ファンもいる。

「ここ何年か一斉スタートの大学がやたらと多かったので、今年の復路は面白そう」
「10校以上が一斉スタートだった何年か前の大会は順位が分かりづらかったけど今年は大丈夫そう」
「明日の一斉スタート、たったの5チーム。 去年が13チームだったことを思うとスゴいよね。 しかもシード権争いが半端ない」