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小説『夫のちんぽが入らない』大反響 発売1週間で6万部

   なんとも衝撃的なタイトルの新刊本がいま、売れに売れている。その名も『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)。発売から1週間あまりで部数は6万部に到達し、いまなお売り上げを伸ばしている。

   同書は、主婦ブロガー・こだまさんの実体験に基づく私小説だ。あけすけなタイトルとは裏腹に、重苦しく壮絶なエピソードが淡々とした筆致で綴られている。

  • タイトルだけでなく中身も衝撃
    タイトルだけでなく中身も衝撃
  • タイトルだけでなく中身も衝撃

生き方や家族観を見つめ直すきっかけになる

   『夫のちんぽが入らない』は、同人誌『なし水』(なしすい)で発表された。当時から注目を集め、14年5月に行われた同人誌即売イベント「文学フリマ」で同誌は即完売。購入希望者が大行列をなしたという。

   今回、その原稿を大幅に加筆修正し、書籍化した。17年1月16日に書店に並び、17日にはもう重版がかかった。

   作品の主人公「私」はすなわち筆者だ。小さな集落に生まれた「私」は18歳のころ、進学のため東北地方へとわたる。そして下宿先で出会った男性と交際を始める。

   「ちんぽが入らない」とは、男性と初めて体を重ねようとしたとき、性器が挿入できなかったことを端的に表現した言葉。

   「いつか入る」という願いを秘めて、「私」は男性と結婚する。しかし、それは壮絶な生活の始まりだった。性器が挿入できない悩みを引きずりながら、仕事や家庭でさまざまな困難に直面する「私」。そうした自身の境遇にますます傷つき、孤独感を強めていく。

   重苦しい読後感を心の中に残し、自分の生き方・家族観を見つめなおすきっかけになる、そんな本だ。

広告は「タイトルを小さくしたり、伏せたり...」

   扶桑社の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、

「発売翌日には読者ハガキが届いているような状況で、反響の大きさに驚いています」

と語る。読者は男性より「女性の方が多い印象です」という。

   確かにツイッターでも、漫画家のおかざき真里さんやコラムニストのはあちゅうさん、翻訳家の岸本佐知子さんなど、多くの女性著名人が賛辞を送っている。

   この書名なら避けては通れない、広告表現の問題についても聞いた。

「広告部門は新聞広告を掲載する方向に動いています。ただ、タイトルを小さくしたり、伏せたりすることも考えており、どのような仕上がりになるかわかりません」

   なお、「主要2紙」からはすでに広告の掲載を拒否されたという。