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松屋が「糖質9割カット」定食 ライスを温豆腐に変更可

   牛丼チェーンの「松屋」を展開する松屋フーズが、定食メニューの価格に50円プラスすれば、ライスを温豆腐に換えてくれるサービスの提供を、2017年1月24日に開始した。

   糖質やカロリーをコントロールしている人向けに、「ひっそり」とはじめたサービスだが、店を訪れ、ポスターを目にした人らがツイッターに投稿したところ、インターネットで瞬く間に拡散。「神サービスだ」などと盛り上がっている。

  • 定食メニューのライスを「温豆腐」に変えて、 糖質もカロリーもOFF!(松屋フーズ提供)
    定食メニューのライスを「温豆腐」に変えて、 糖質もカロリーもOFF!(松屋フーズ提供)
  • 定食メニューのライスを「温豆腐」に変えて、 糖質もカロリーもOFF!(松屋フーズ提供)

「50円プラスで温豆腐に」サービスは「実験的なもの」

   J‐CASTニュースが2017年1月26日、松屋フーズに取材したところ、「プラス50円でライスを温豆腐(豆腐・白菜)に変更できるサービス」は、東京・南池袋店や新宿大ガード店、高田馬場1丁目店、中野南口店、吉祥寺サンロード店など、現在80か店弱の「松屋」で提供している。

   しかし、「じつはポスターの掲示による告知のほかは、あまりPRしていないんです」と明かす。「以前から、糖質を制限している人やヘルシー志向のお客さまから、『(松屋は)ごはんが主体なので、あまり利用できない』などといった声をいただいていました。そういった方々のニーズが、具体的にどのくらいあるのか、今回のサービスはいわば実験的なものです」と説明する。

   松屋のホームページには、サービスの提供開始も実施している店舗も記されておらず、同社にも直接、すでに多くの声が寄せられているようだが、なかには「実施店舗を教えてほしい」といった問い合わせもあるという。

   ライスを温豆腐に変更できるメニューは、朝定食を含む定食メニューで、ライスを温豆腐に変更することで、糖質で約94%、カロリーで約74%をカットできるという。牛丼のライスを温豆腐に...という変更は今のところ行っていない。

   ツイッターやインターネットのまとめサイトには、

「ついに松屋が糖質制限するナイスガイのためのサービスを始めて『さすが松屋...』と店の前で感動して涙を流してしまった」
「健康的でええやん」
「糖質が抜けてタンパク質が多く取れる。最高やね」
「湯豆腐単品で注文しそう。お酒が飲める店になりつつある」
「やっとポン酢使う日が来たかw」
「ええな。これとライスでwww」

といった歓迎ぶり。

ただ、なかには、

「なんでライスよりたけぇんだよ」
「糖質気にするヤツが牛丼屋いくか?」
「ボリューム減るんやから、50円マイナスやろ」
「食った気にならねぇ」

などの声もある。

病気治療中の「牛丼ファン」を、再び呼び込め

   「ガッツリ」とボリューム重視のイメージがある「牛丼」も、最近の健康志向、ヘルシー志向は無視できない。

   たとえば、糖質やカロリーの制限を余儀なくされている、糖尿病の患者数は316万人(厚生労働省、2014年患者調査)で、このうち「ガッツリ」食べるメニューを好む男性の割合は15.5%と多く、かつ40~50歳代を中心に増加傾向にある。

   その半面、糖質・カロリー制限のメニューは食材が限られたり、高価だったりすることから、「財布にはやさしくない」傾向があることや、もともと牛丼チェーンを利用していた人が、病気の治療を理由に足が遠のいてしまったケースが少なからずある。

   ヘルシーなメニューやサービスをそろえることで、こうした顧客層を再び呼び込めるとの期待もある。

   ヘルシー志向への対応について、松屋フーズは「試行錯誤を繰り返してところ」という。「(糖質やカロリー制限が必要な人が)一定程度いることは、肌感覚ではもっているのですが実際にはどうか。また、店舗オペレーションとのバランスもありますから、(ライスを温豆腐に変更できるサービスは)そういったことを勘案して判断していきます」と話す。

   ちなみに、「温豆腐」は単品(味噌汁付き、210円)でも販売。松屋フーズでは今のところ、サービス提供の期限を区切っていないが、「今後については、お客様の声を参考して考えていきます」という。