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遊戯王カード「紙くずになる!」 新ルール発表でも売買停止のまま

   コナミデジタルエンタテインメントがTCG(トレーディングカードゲーム)「遊戯王」の新ルールを2017年2月21日に正式発表した。ネット上では引き続き「カネをかけて作ったデッキがパー」「高額カードが紙クズになった!」などと大荒れが続いている。

   新ルールに使われるカードの発売は17年3月25日で、この日から新ルールが適用されるため実際に遊んでいる人はいない。そのため「大暴落」などと噂されている人気カード価格がどうなるのかは未知数だ。カード買い取りショップは17年2月17日から買い取り停止を続けていて、再開の目途は立っていない。

  • 新ルールを2月21日に発表した(写真はコナミデジタルエンタテインメントの公式HPから)
    新ルールを2月21日に発表した(写真はコナミデジタルエンタテインメントの公式HPから)
  • 新ルールを2月21日に発表した(写真はコナミデジタルエンタテインメントの公式HPから)

コナミ「カード流通にコメントする立場にない」

   J-CASTニュースが17年2月21日にコナミデジタルエンタテインメントに取材したところ、ルールの改正は11年3月、14年3月に続くもので、今回は「マスタールール4」となる改定だ。

「お客様の楽しみ方の幅を広げるためのルール変更になっています」

とコナミ広報は説明した。ファンの間で「大幅改定過ぎる!」という批判が出ていることについては、

「受け止められ方はそれぞれ異なると思います」

と語った。カードショップが買い取りを停止している事に関しては、

「市場のカード流通に関してはコメントする立場にはありません」

とした。

   「マスタールール4」と呼ばれる今回は、新要素に「リンク召喚」が盛り込まれたことが大きい。「リンクモンスター」カードを使って別のモンスターを「召喚」できるようになる、というものだ。「リンクモンスター」カードは17年3月25日発売の「スターターデッキ」に初収録される。

   実は、過去に買ったカードの一部は、「リンクモンスター」を使っても「召喚」できず、そうしたカードの価値が下がっている。ファンの間では「遊戯王」のカードは「株式」と呼ばれていて、人気のカードは価格が高騰し、10万円以上の値が付くものも出ている。相手に勝つために強力なカードを集めようとプレミア価格が付いたカードを購入している人は多い。

   小遣い稼ぎに手持ちの人気カードをカードショップに売りに行く人も多いが、今回の新ルールにはネット掲示板などで、

「新ルールでシンクロ勢がほとんど死亡」
「もってるカード資産が紙束になる」

など、高額のカードが使えなくなる、と嘆く書き込みが出ている。

新ルールで価格が高騰するカードも?

   既に、ほとんどのカードショップは、カードの市場価格がどのように変動するのか分からない、とし、17年2月17日から全国一斉にカード買い取りを停止した。中には、これまで数千円で売っていた人気カードの買い取り価格を2円、などと表示する業者もいる。

   J-CASTニュースは新ルールが発表された2月21日に都内のカードショップに話を聞いたが、

「価格の変動がどうなるのかはっきりしていないため、当分の再開は無い」

と話していた。

   ただ、新ルールによって、逆に値上がりするカードもあるはずだとして、「リンク召喚」の影響を受けないカードなど、その「相場」予想も始まっている。