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昭恵氏が籠池夫人に「祈ります」 「メル友」いまだに継続

   森友学園の籠池泰典理事長が安倍晋三首相から100万円の寄付を受けていたと主張している問題で、籠池氏は100万円のうち10万円を返金したと主張し、昭恵氏が籠池氏側に送ったメールに10万円について触れたものもあったという指摘が表面化した。

   昭恵氏は、2017年3月16日に籠池氏が野党議員からヒヤリングを受けていた最中にも、妻の諄子氏に対して「祈ります」とメールを送っていたことも明らかになった。(訂正・追記あり)

  • 衆院外務委員会で答弁する安倍晋三首相(写真は衆議院インターネット中継から)
    衆院外務委員会で答弁する安倍晋三首相(写真は衆議院インターネット中継から)
  • 衆院外務委員会で答弁する安倍晋三首相(写真は衆議院インターネット中継から)
  • 菅義偉官房長官は10万円のやり取りについても「あり得ない」と述べた(2017年3月17日撮影)

100万円のうち10万円を昭恵氏に返金?

   昭恵氏と籠池氏側との金銭のやり取りを示すとされるメールの存在を最初に報じたのは日本テレビだ。3月17日午前のニュースで、野党議員が3月16日に籠池氏に対して行ったヒヤリングの場で、籠池氏は昭恵氏から「安倍晋三からです」として100万円を渡されたと主張し、その上で

「昭恵夫人に『感謝』という名目で10万円を返金したと話した」

と報じた。一連の問題発覚後の2月28日と3月8日には、妻の籠池諄子氏が昭恵氏からメールを受け取り、そのうち1通には講演料に言及した内容も含まれていたと主張したという。

   菅官房長官は3月17日夕方の定例会見で、事実関係の確認を求める日本テレビ記者の質問に対して、

「私は正直なところ、どのような形で報道されたかは承知していないが、少なくとも、報道機関として、個人のメールについて報道するのであれば、メール全体のやり取りをきちんと確認した上で報道すべきである、このことは、はっきりと申し上げたい」

などとけん制。昭恵氏による寄付については

「安倍事務所を通じて昭恵夫人にも確認を取ってもらったところ、領収書等の記録もなく、昭恵夫人個人としても寄付は行っていないということだと承知している、それに尽きる」

と改めて否定し、10万円を受け取っていたという指摘にも

「あり得ないこと」

と答えた。

安倍首相「メールのやり取りは事実」

   3月17日午後には、衆院外務委員会で、民進党の福島伸享議員が3月16日を含め、昭恵氏と諄子氏が直近までメールのやり取りをしていることについて質問すると、安倍首相は

「一時、小学校の名誉校長を引き受けていたので、それを退任した後もメールのやり取り、そんなにないと思うが、していた。それは事実」

と事実関係を認めた上で、

「先方(籠池氏側)がよろしければ、すでに公開しているということであれば、公開をした方が、はっきりするのではないか」

と述べ、メールの内容を公開しても構わない考えをみせた。

   一方、著述家の菅野完氏は3月17日午後、安倍首相側からの寄付の「物証」だとする振替払込用紙の写真をヤフーニュースの個人ページで公開した。それによると、籠池氏は昭恵氏から受け取ったとする現金の扱いについて、

「ようわからんようになるから、安倍晋三名義で入金しようとしたけど、会計の人に止められたんで、森友学園の名義で入金した」

と話したという。公開した振替払込用紙とされる写真では、振込依頼人の欄が修正液で修正の上「森友学園」となっているが、後ろからライトを当てると「安倍晋三」とも読める文字が浮かび上がっているようにも見える。

   これについて、福島議員は、

「まぁ、菅野さんという人物は籠池側に立って情報を流しているように見え、にわかに信じがたい話ですし、この報道というのは慎重に注意していかなければならない」

と断りながら、「物証」の存在を指摘。安倍首相に対して再調査を求めたが、安倍首相は

「新たな証拠と言われるものが、これは福島議員は事実だということで質問されているのか」

と福島氏をけん制の上、

「私自身も承知していないので、お答えのしようがないが、『ないものは、ない』と答弁させていただいているとおり」

と、改めて寄付を否定した。


(3月24日17時40分訂正・追記)

   衆院外務委員会でのやり取りなどをもとに、昭恵夫人が籠池理事長の妻、諄子氏に対して「『幸運を祈ります』とメールを送っていたことも明らかになった」と報じましたが、3月24日に自民党の西田昌司参院議員が公開した両者のメールのやり取りで、昭恵氏が送信したメールの内容は「祈ります」だったことが明らかになりました。見出しと本文の「幸運を祈ります」を「祈ります」に差し替えます。