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民主くん、やっと「再就職」 憲政記念館展示で、早くも「歴史」に

   旧民主党(現・民進党)の公認ゆるキャラ「民主くん」が、「政治の殿堂」として知られる憲政記念館に寄贈されることになった。

   2016年3月の党名変更後に「政界引退」を迫られ、新キャラの決定で一時は「廃棄」まで取沙汰された。だが、「政党ゆるキャラの先駆け」という点が評価され、党名変更から1年を経て「再就職先」が決まったが、今後の「政治活動」はなさそうで、「民主党」とともに早くも「歴史」となった。

  • 憲政記念館での展示が決まった「民主くん」。旧民主党時代は「党公認」だった。右側は枝野幸男幹事長(当時)(2015年8月撮影)
    憲政記念館での展示が決まった「民主くん」。旧民主党時代は「党公認」だった。右側は枝野幸男幹事長(当時)(2015年8月撮影)
  • 憲政記念館での展示が決まった「民主くん」。旧民主党時代は「党公認」だった。右側は枝野幸男幹事長(当時)(2015年8月撮影)
  • 民進党発足後は新キャラ公募の「副賞」になった(2016年9月撮影)

「『政党初』ゆるキャラ」として評価される

   「民主くん」は15年には党の公認を受けて「ゆるキャラグランプリ」にも出場していたが、16年3月の民進党の発足で党公認を失った。そのうえ、4月のイベントでゲームに敗れて「政界引退」に追い込まれ、去就が注目されていた。だが、民主くんは民主党のロゴマークをモチーフに作られたため、党のロゴが新しくなった以上、そのままの存続は難しいと考えられてきた。

   民進党が民主くんに代わるゆるキャラを公募する際、民主くんは大賞受賞者に副賞として贈られることになったが、受賞者は受け取りを辞退。17年3月8日、民主くんは自身が「廃棄」されるとツイートしていた。その後、「かわいそう」「もったいない」といった声が相次いだため、党では処遇を検討していた。党が憲政記念館に寄贈を打診し、展示が決まった。

   憲政記念館は、「憲政の神様」尾崎行雄を記念する「尾崎記念会館」が前身で、憲政の歴史や、憲政功労者に関係する資料、約2万点を所蔵。担当者によると、「政党で初めてのゆるキャラ」だという点が評価されて展示が決まった。民主くんの登場後、公明党の「コメ助」や共産党の「カクサン部」など他党も追随したことも影響したとみられる。展示開始の時期は「調整中」だと説明している。同館には旧社会党(現・社民党)が1989年に選挙キャラクターとして打ち出した、赤いザリガニを意味する「マッカチン」の人形が所蔵されているが、「政党のゆるキャラ」は初めてだという。

「憲政の歴史に名を残すことになりました」

   民主くんは17年3月22日、寄贈を報じる日刊スポーツの記事を引用しながら、

「ボクの再就職先が決まりました!恥ずかしながら憲政の歴史に名を残すことになりました。4月から『憲政の神様』こと尾崎行雄先生のところでお世話になります」

と喜びの声をツイート。「民主くん」の担当者である大西健介衆院議員(党青年局長)も、J-CASTニュースの取材に対して

「民主くんの活躍は皆が認めるところだが、『民進党』になった以上、今後は活躍の場を見つけるのは難しい。民主党はすでに『歴史』になったが、その歴史を憲政記念館という場で多くの人に知っていただければ」

と話している。