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カナダ製おもちゃを「メイドインジャパン」 「日本スゴイ」系番組が物議

   TBS系の番組「メイドインジャパン」の放送内容の一部が、事実と違うのではないかと、ネット上で物議を醸している。日本製ではないおもちゃを「メイドインジャパン」と紹介した、というのだ

   「やっぱり日本って凄い国ね」「メイドインジャパンで奇跡を起こせるんだな」。この番組では、出演した外国人と司会者らの間でこんな会話が交わされるのが特徴だ。

  • 放送内容の一部が、事実と違うと物議
    放送内容の一部が、事実と違うと物議
  • 放送内容の一部が、事実と違うと物議

少女は「日本って夢の国だね!」

   2017年4月4日夜の放送は、4時間のスペシャル番組が組まれ、日本で暮らす3組の外国人が紹介された。「良いと思った日本製品を母国の家族に持ち帰る」というテーマで、200人以上のオーディションから選ばれたという。

   3組の最後に登場したハンガリー出身の女性(31)は、腰痛のある父親らを楽しませようと、日本の24時間風呂のヒーターを母国に送った。親戚などにも日本製品をプレゼントし、ある親戚の家では、子供たちにプレゼントするために玩具を持ち込んだ。

   それは、日本の玩具メーカー「タカラトミー」が16年10月に発売してから、品薄状態が続く人気となっている「うまれて! ウーモ」だった。卵から孵化させるペット感覚が楽しめるタイプの玩具で、ナレーションや字幕で「メイドインジャパンのおもちゃ」と番組内で紹介された。

   「可愛がってあげると、生まれてくるのよ」。出演者の女性が親戚の少年少女にこう説明すると、少女が両手で卵を温め始めた。「中から何かが卵を割ってる!」「見て! なんか見えてきた」「動いてるよ」。ヒヨコのようなウーモが現れると、少女は、「この子一人で出てきたのよ。本当に生きてるんじゃない?」と感動した様子だ。

   「日本で人気のおもちゃがハンガリーでも大絶賛」とナレーションが入り、少女は「日本って夢の国だね!」、少年は「ぼく日本に住みたい」とそれぞれ顔をほころばせていた。

タカラトミー「いわば代理店のような形ですね」

   これに対し、4月8日になって、2ちゃんねるで「外国製を日本製と偽って白人少女にプレゼント」などとするスレッドが立った。「うまれて! ウーモ」は、もともとカナダの玩具メーカーのスピンマスター社が手がけた「ハッチマルズ」という名の玩具だとして、日本製というのは違うのではないかと指摘があった。

   このスレでは、「外国に恥を輸出すんのマジでやめてくれ」「この玩具選んだスタッフ謝罪しろよ」などと、番組への疑問や批判が次々に書き込まれている。ニッポン礼賛の番組内容についても、「気持ち悪すぎる」「こういうのホントもういいから」といった声が漏れていた。

   タカラトミーの広報担当者は10日、J-CASTニュースの取材に対し、番組での紹介は事実と違うとの認識を示した。

「開発も生産もスピンマスター社が行っており、私どもは、パッケージデザインなどを手がけています。日本オリジナルではなく、いわば代理店のような形ですね。番組紹介に当たって、TBSからの連絡は受けていません」

   TBSの広報部では、関係部署から応答がなく、10日のうちに取材に回答するのは厳しいとのことだった。