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「ブーメラン」「レッテル貼り」「アホ、バカ」... 民進disスタンプ発売の維新・足立議員を直撃

   日本維新の会・足立康史衆院議員(51)といえば、民進党への激しい攻撃で、良くも悪くも有名人だ。国会の場で民進党を「アホ、バカ」と罵倒、自らも名乗るところの「ヤジの帝王」、あるいは「維新のトランプ」などの異名を奉られている。

   その足立議員が2017年4月12日、LINEスタンプを発売した。そこには、「ブーメラン」「レッテル貼り」など、どこかで聞いたようなフレーズが......。J-CASTニュースは、足立議員本人を直撃、その「真意」を質した。

  • 11日、J-CASTニュースの取材に応えた足立議員。手にしているのが、LINEスタンプに使われているイラスト
    11日、J-CASTニュースの取材に応えた足立議員。手にしているのが、LINEスタンプに使われているイラスト
  • 11日、J-CASTニュースの取材に応えた足立議員。手にしているのが、LINEスタンプに使われているイラスト
  • 足立議員がリリースしたLINEスタンプ(本人の公式Facebookページより)
  • 取材中にも、おなじみの「足立節」がたびたび炸裂していた

国会でも、LINEスタンプでも「削除要求」

「国会質疑でも議事録からの削除要求が来たのと同じようにね、スタンプも『削除要求』が来た(笑)。これはこれでありだなと、前向きに受け止めているところですよ」

   11日、議員会館。足立議員は、おなじみの関西弁で記者の質問に答えた。

   実はこのスタンプ、7日の発売を予定していたものの、LINE側の審査に引っかかってしまい、取材の時点ではまだ未発売だった。なにしろこのスタンプには、

「アホ、バカ、どうしようもないなぁ」
「ブーメラン」
「レッテル貼り!!」
「あげ足取りヤメテよ」
「猿芝居」
「二重基準 ダブスタはあかん!」

などなど、足立議員がこれまで繰り広げてきた、民進党への強烈な「毒舌」が満載なのだ(絵柄は全40種類。民進党がかかわるネタは8つ)。このうち、「アホ、バカ」が問題視され、「削除要求」が来てしまった。

「でもね、それ消すくらいやったら、もう(スタンプの発売自体)やめるって、LINEと押し問答してね」

   結局、「アホ」「バカ」の文字の一部を修正で隠す形で、なんとか再審査に。こだわったのは、この言葉が足立議員の「出世作」だからだ。

「憲政史上に残る」懲罰動議連発

   ちょうど1年前の2016年4月7日、衆院総務委員会で質問に立った足立議員は、民進党の安全保障関連法への対応について、

「だいたいね、廃止法案が対案だと言って胸張ってる民進党って、アホじゃないかと思いますね、ほんとに。あのね、アホです、アホ。あのね、アホはダメ?じゃあ、うそつきって言ったらいいんですか?うそつき、うそつき、うそを塗り固めた」

と罵詈雑言を連発する騒動を起こした。当然、発言は物議をかもし、懲罰動議を提出されたが、足立議員は大いにこれで名を売った。その後も民進党をターゲットに攻撃を連発、結局1年で4度の懲罰動議を受けるという異例の事態に。野党が野党に懲罰動議を出すこと自体がまれであり、「憲政史上に残る話ですよ」と苦笑いする。

   ちなみにこの件は、スタンプの解説でもネタにしている。本人もお気に入りのようで、笑いながら記者にその文章を見せてくれた。

「注意して使わないと懲罰動議を食らっちゃうかも・・・汗」

民進党「特にコメントはありません」

   スタンプをひとつひとつ指さしながら説明してくれた足立議員だが、「二重基準」の図柄のところに来ると、少し表情が真面目になった。

「二重基準(ダブスタ)だけはね、政治家としては絶対にあかんと思うんですよ。だからこのスタンプは気合入れて作ってもらいました。人を攻撃するときの基準と、自分を守るときの基準が違うようでは、国民は信じてくれない。民進もそうだし、僕に言わせれば今や小池(百合子)都知事も、豊洲問題で最近二重基準になってますね」

   毒舌の話題ばかりが先行しがちだが、本人としては、これまでの「古い=ゆるい政治」のあり方を変え、緊張感ある新しい政治を作っていくのが目標だという。

「今までの野党って攻撃を受けない、ゆるい世界で生きてきたわけだけど、小選挙区制では1回の選挙で政権が入れ替わることもあるわけだから。これからの野党は甘えてたらあかんわけです。もちろん維新自身も含めて、与党も野党もしっかりと鍛えて、政治全体を鍛えていかないと」

   そう語ったかと思えば、「早くしないと、民進党なくなっちゃいそうやから(笑)。失礼だけど、スタンプが売れるまではがんばってもらわないとね」と、いつもの足立節も。

   なおスタンプについて、念のため民進党に問い合わせてみたところ、「特にコメントはありません」(役員室)とのことだった。