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関西で流行「ドロ写」ってなに? ラーメン撮影めぐって店は大困惑

   カメラや携帯電話を頭上に高く掲げ、まるでドローンで撮ったかのような写真を撮影する「ドロ写」という行為が、一部のラーメン好きを中心に流行の兆しを見せている。

   だが、こうした行為をめぐっては、「他のお客にとって迷惑な行為」だとして、周囲に配慮するように求めるラーメン店も出ている。なぜ、わざわざ高くからラーメンを撮影するのか。その理由を、「ドロ写」をよく行うというユーザーに聞いた。

  • 「ドロ写」の例(画像は投稿者の許諾を得て掲載しています)
    「ドロ写」の例(画像は投稿者の許諾を得て掲載しています)
  • 「ドロ写」の例(画像は投稿者の許諾を得て掲載しています)

椅子の上に立ち、カメラを高く掲げて...

   「ドロ写」が大きな注目を集めることになったのは、京都市内にある「拳ラーメン」の店主がツイッターで次のように注意を呼び掛けたことがきっかけだ。この店主は2017年4月12日昼、

「今、ドロ写って流行りつつあるのですか?他のお客さんに迷惑がかからなかったらいいけど...。その辺は配慮して欲しいです」

とつぶやいた。続く投稿では、ドロ写をめぐって客同士でトラブルになったケースがあるとして、重ねて注意を呼び掛けていた。

   確かに、ツイッターで「ドロ写」と検索すると、高所からラーメンを撮った写真が数多くヒットする。被写体のほとんどがラーメンで、理由は分からないが、大阪や京都の店舗で撮影された写真が大半で、関西地方を中心に流行している。

   だが、ドロ写に関する投稿の中には、他の客にとって「迷惑」になりかねない状況で撮られた写真もある。

   例えば、両隣に座った客の姿が写った写真や、天井の照明より高い位置までカメラを掲げて撮影した写真などだ。さらには、高さが足りず写真が綺麗に撮れないなどとして、「椅子の上に立って撮影した」ことを打ち明けるユーザーも出ていた。

   いったいなぜ、そこまでして高所からラーメンを撮影したいのか。ツイッターにドロ写を数多くアップロードしているユーザーは、J-CASTニュースの17年4月13日の取材に応じ、始めたきっかけは先にやっていた友人からの影響だと説明。なぜドロ写を撮るのかについては、

「新しい物好きで笑いを取ろうかと」

と答えた。ただこのユーザーは、周りに他の客がいない場合にだけ撮影するように気を付けているという。

「他のお客に迷惑をかけるようなことは見過ごせません」

   こうしたラーメン好きの行動について、店側はどのように感じているのか。ツイッターで注意喚起した「拳ラーメン」の店主は13日の取材に対し、次のように話す。

「椅子に乗るのは言語道断だとして、カメラを掲げて写真を撮ること自体、近くにいる他のお客にとっては迷惑な行為です。店側としても、あんな撮り方をされて厨房の中が写ったら、決していい気持ちはしませんよ」

   また、今回ツイッターで注意を呼び掛けることになった経緯については、

「一部のお客が頻繁にドロ写をやっていて、それがツイッターで他のお客に流行しつつあるので、改めて注意喚起した次第です。京都市内の他の店主からも『ドロ写に困っている』という相談が私のところに来ていたので、うちの店が代表してツイートした形になります」

と説明していた。その上で店主は、「個人的な感想ですが」と断りつつも、

「お金を払ったラーメンを残そうがどうしようがお客の自由だと思いますが、他のお客に迷惑をかけるようなことは見過ごせません」

と苦言。仮にどうしてもドロ写をやりたい場合には「絶対に他のお客の迷惑にならない状況で、店主の了承を得てからにして欲しい」と要望していた。