三ツ矢サイダーCMの取りやめ 「全く問題ない」「クレーマーが怖い！！！」との意見噴出

   三ツ矢サイダーのCMの公開中止が発表されると「全く問題のないCMだ！」「クレーマーが怖いわ！！！」などと多数の反発意見がネット上に出る事になった。

   トランペットの練習中に友人2人が笑顔で駆け寄ってきて後ろから軽くドンと当たる、という内容だが、これは非常に危険な行為であり唇を切ったり前歯が折れてしまう可能性があるとし、専門家らがツイッターなどで抗議をしていた。一般視聴者には元気で爽やかに見えるようだが、演奏者からすれば「ハッ！」とし、背筋が凍る思いをするようだ。

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  アサヒ飲料はお詫びとCM掲出を取りやめを発表した（同社ホームページより）

「配慮に欠ける表現がありましたことを、ここに深くお詫び申し上げます」

   問題のCMはアサヒ飲料の三ツ矢サイダーの「僕らの爽快編」で、2017年4月15日からテレビやネット上などで公開された。俳優の神木隆之介さん（23）と女優の芳根京子（20）さんを起用していて、2人が芝居の稽古に懸命に取り組む姿を描いている。そのシーンの一つが学校の屋上と思われる場所で芳根さんが一人でトランペットを吹いている。そこに友人と思われる2人の女性が満面の笑顔で後ろから駆け寄り芳根さんに軽くドンと当たる。芳根さんは驚き口からトランペットを放す、というものだ。

   これについて4月17日からツイッターで強い批判の声が挙がることとなった。管楽器奏者ならばよくわかることだがものすごく危険だ、とし、

「唇切れるor前歯折れるor楽器落とす、ぶつける、マウスピース抜けない、などなど...とりあえずろくな事にならないからやめて」
「口元に箸で食事運んでる人間を突き飛ばしてるのと同じですからね。手前で声をかけることなく脅かしてるわけですから危険度半端ないですし」
「全日本吹奏楽連盟など大きな組織に動いていただきたいくらいの気持ちなんです」

などといったことが書き込まれ騒然となった。

   アサヒ飲料は4月18日、こうした騒ぎを受け公式ホームページ上で、

「配慮に欠ける表現がありましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。皆様のご意見を真摯に受け止め、当CMの掲出を取りやめることと致しました。この度は誠に申し訳ございませんでした」

と謝罪した。

   J-CASTニュースが4月19日にアサヒグループホールディングスに取材したところ、18日午後10時にお客様相談室に「危険な行為だ」という指摘があり検証をし、午後6時50分に問題のCMの公開の中止を決めた、と同社広報は語った。電話やメールでの抗議は複数あったという。CMに問題はないのかのチェックは慎重に行っていたが、こうした結果が出てしまったと詫びていた。

   しかしネット上では「CMの公開中止の理由が分からない」と多数の反発が出る事になってしまった。

「トランペットや吹奏楽経験者うるせえ」みたいになったら嫌だなぁ

   アサヒ飲料は19日からネット上のCMは下したのだが、ユーチューブには何者かの手によってCM動画が転載されていて、19日午後6時半で約15万視聴となるなか、

「えっ！こ、これでクレーム？　クレーマーが怖いわ！！！」
「楽器経験者からするとこれは後ろではなく横だから大丈夫だと思う、しかもそんなにスピード出てないからくちびるに当たって痛い思いはするかもだけど切ることはないかな」
「誰かが食事をしてる時にぶつかるシーンがドラマで出てくることがあるが、真似すると箸やフォークがのどに刺さるから危険、とドラマが中止になるのか？」
「思ったほどバンッ！って感じじゃなかったし、なんかこれでガミガミ言ってトランペット・吹奏楽経験者うるせえ、みたいになったら嫌だなぁ。私は別にこのcmいいと思う」

などといったことがコメント欄に書き込まれ、CMの中止に納得がいかないという声が多いのだ。

   J-CASTニュースは19日に都内の大手音楽教室に取材を申し込んだ。担当者は複数の管楽器演奏者にCMを見てもらった、としたうえで、

「爽やかな演出をしたいという制作者側の企画意図は理解できるが、危険だ、というのが全員の意見でした。唇が切れたり歯を痛める可能性があります。イタズラ目的で強く当たったのか弱く当たったのかということよりも、ビックリさせる、というのが悪質だということでした」

と説明した。演奏者からすればあのCMを見ると「ハッ！」とし、自分がやられた場合は背筋が凍る思いがする、ということのようだ。