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バレー「顔面にスパイク」動画が波紋 「体罰」「いや、普通の練習」

   高校バレーボール部の男性顧問が、体育館の床に寝転がる男子部員の顔面に向け、強烈なスパイクを何度も打ち込む――。そんな内容の動画がツイッターに投稿され、インターネット上で「体罰ではないか」と波紋を広げている。

   問題の動画は、大阪府立今宮工科高校(大阪市)の男子バレーボール部の練習風景を撮影したもの。同校の山崎晃昭校長がJ-CASTニュースの取材に「間違いありません」と認めた。詳しい状況や経緯については「現在調査中」だという。

  • 「指導の一環」なのか、それとも・・・
    「指導の一環」なのか、それとも・・・
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詳しい状況は「現在調査中」

   動画がツイッターに投稿されたのは2017年5月14日夕。元の動画はすでに削除されているが、多くのネットユーザーがYouTubeなどに動画を転載しており、その内容は今でも確認できる。

   約37秒間の動画におさめられているのは、顧問の男性教諭が1人の部員を指導する姿だ。顧問が左右に次々と投げ分けるボールを、部員が連続でダイビングレシーブするという練習が行われている。

   動画の冒頭では、投げられたボールに向かって飛びついていた部員だが、何度も繰り返すうちに、疲れ果てたのか床に倒れ込んでしまう。そこから立ち上がろうとする部員に対し、顧問が取った行動は、顔面に向けて強烈なスパイクを打ち込むというものだった。

   かなりの勢いで放たれたボールは、倒れ込んだ部員の顔面に直撃。顧問はその直後にも、部員の顔に向けて叩き込むような勢いで直接ボールを投げ込んでいる。動画を確認する限り、部員と顧問の距離は2~3メートルほどに見える。

   その後、顧問は再びボールを左右に投げ分ける練習を再開。部員がボールに追いつけず、再び倒れ込んで動けなくなると、またもや顔面に向かって強烈なスパイクを2度打ち込む。動画の終わりには、こうした顧問の行動を受け、部員が怯えたような様子で体を丸める姿も映っていた。

   こうした練習動画が撮影された今宮工科高の山崎校長は15日14時過ぎ、J-CASTニュースの取材に対し、

「動画は、本校男子バレーボール部が14日午後に行った練習を撮影したもので間違いありません」

と話す。

   その上で山崎校長は、動画の中で部員にボールをぶつけていたのは、部活の顧問を務めている男性教員で「間違いない」と説明。部員の生徒にけがはないというが、詳しい状況などについては「現在調査中です」と話した。

「部員全員から慕われる本当に良い先生」

   今回の練習動画について、ネット上では顧問の行動を「体罰」だと批判する意見が殺到。ツイッターやネット掲示板には、

「ボールを拾わせるのはわかるが、スパイクを当てたりボールを投げ当てたりする行為は体罰だと思われて当然」
「顔面に当ててチームが強くなるん? 当たりどころによったら鼓膜破れる」
「フライングレシーブ込みの練習なんだろうけど、ギリギリの場所に投げるのは技量、取れないで倒れてる所に投げるのはただの暴力」

といった声が相次いだ。

   ただ一方で、バレーボール経験者とみられるユーザーからは、動画の内容について、

「バレーしてる人なら、これ普通の練習だよな」
「これは指導の範囲だと思った」
「強豪校でバレーやっててあのくらいは普通でした」

と理解を示す意見も出ている。

   実際、今宮工科高バレー部員を自称し、その証拠として生徒手帳を撮影した写真をアップしているツイッターユーザーの1人は15日朝、ネット上での顧問批判に対し「虐待じゃない」と反論。その上で、

「事情を知らない外野に騒がれると正直迷惑です」

とも呟いた。

   このユーザーは15日夕のJ-CASTニュースの取材に対し、「顧問の先生は部員全員から慕われる本当に良い先生です」と回答。その上で、無許可で撮影された動画がネット上にアップされたことについては、「遺憾に思います」とした。まだ、学校側からは何の説明も受けていないという。