2024年 4月 24日 (水)

韓国通・黒田福美さんに聞く 韓国の人・魅力・付き合い方

提供:公益財団法人韓昌祐・哲文化財団

   俳優でエッセイストの黒田福美さんは、自他ともに認める韓国通だ。公益財団法人韓昌祐・哲文化財団の助成金を得て『黒田福美の韓国ぐるぐる』を出版したこともある。現在、同財団評議員を務める。

   最近の日韓関係は必ずしも良好でない面もあるが、歴史的に長い交流のある両国は平和共存が本来の姿のはず。黒田さんにあらためて韓国の魅力や両国の関係改善などについてインタビューした。

  • 2001年にはソウルのミッション系私立大学、西江大学校(ソガンテハッキョ)語学センターに留学。本格的に韓国語を勉強。ソウルで下宿生活を体験した。
    2001年にはソウルのミッション系私立大学、西江大学校(ソガンテハッキョ)語学センターに留学。本格的に韓国語を勉強。ソウルで下宿生活を体験した。
  • 2001年にはソウルのミッション系私立大学、西江大学校(ソガンテハッキョ)語学センターに留学。本格的に韓国語を勉強。ソウルで下宿生活を体験した。

おおらかで、情が深くてストレート

――黒田さんが韓国に通い始めて、30数年になりますが、韓国の魅力は何でしょう?

黒田 「人」ですね。韓国の最大の観光商品は何か? と聞かれたらそう答えています。とにかく情が深い。泣いている人がいたら、日本人ならそっとしておいて折をみて近づくような距離の取り方があります。韓国人は「どうしたの?」とズバッと聞いて、「そんなことがあったの。かわいそうに」と身内みたいに接してくれる。おおらかで、情が深くてストレートなのです。

   2002年の日韓共催W杯の時、面白いことがありました。当時、韓国はホテルの建設が追いつかなくて、それを補うために観光客をホームステイさせるシステムをつくった。私も利用したのです。規約では、寝室と朝食を提供すればいいのだけど、それだけじゃ済まない。お母さんが迎えに来てくれ、夕食を食べさせてくださった。子どもたちもベタベタしてくるし、もう家族の一員みたいな感じ。日本人だったら布団を新調しなきゃとか考えるけど、そんな気張ったところはない。親戚を迎えるみたいに普段通り。帰りにはお土産をくださるし。これが韓国人なんですね。人をもてなすのが大好きで、人懐っこくて、警戒心があまりない。懐に入り込むと、そういう韓国人と触れることができます。

――黒田さんは、2009年度に公益財団法人韓昌祐・哲文化財団の助成金で『黒田福美の韓国ぐるぐる』を出版しましたが、そのときに地方をかなり取材されました。印象に残っている出来事はありますか?

黒田 たとえば食堂に入って、韓国のアジュンマ(おばさん)たちが美味しそうなものを食べているので、「それ、何?」と聞いたんですね。そうしたら、「さぁさ、座って食べて行きなさい」といって、葉っぱに巻いて口に入れてくれたことがありました。

   また、旅先で困ったとき、アジュンマたちにずいぶん助けられました。10年ぐらい前、バックパッカーしたんですけど、わからないことがあると、いろんなアジュンマに聞いていましたね。外国人だとわかると、「案内してあげる」といわれることもあります。

   昔はソウルでもそういうことがあったのですが、今、そういう韓国人に触れたければ地方のほうがいいかもしれません。

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