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ペットのインコが「アロマ」で急死... 注意喚起ツイートに反響、獣医も危険性を指摘

   「原因は、アロマディフューザー(発生器)でした」――。ペットのインコが急死したという女性が、愛鳥の死因についてツイッターでこう報告した。自宅でアロマを焚き始めてから1週間後に、インコの体調が急変したのだという。

   実際、今回のようなケースについて、鳥類専門の動物病院「小鳥のセンター病院」(埼玉県川口市)の池谷(いけや)真樹院長はJ-CASTニュースの取材に対し、「鳥によって個体差はありますが、アロマを焚くことで中毒死や呼吸不全を起こす恐れはあります」と指摘する。

  • アロマが小鳥に悪影響を与える恐れ(写真はイメージ)
    アロマが小鳥に悪影響を与える恐れ(写真はイメージ)
  • アロマが小鳥に悪影響を与える恐れ(写真はイメージ)

「信じられませんでした」

   女性が愛鳥の死を報告したのは2018年1月26日のこと。「私の最愛の娘(オカメインコ)が昨夜亡くなりました」と切り出し、「原因は、アロマディフューザーでした。気が付きませんでした。ショックです」と報告した。続くツイートでは、

「(インコを)飼うにあたり、神経質に調べたつもりでしたが、アロマは分かりませんでした(略)拡散して頂く事で、2度と同じ不幸が繰り返されませんよう祈るばかりです」

との思いをつづっている。

   女性の投稿は29日夕までに2万回以上リツイートされ、リプライ(返信)欄には「アロマが毒なんて...。知りませんでした」「知らなかった...ずっとアロマ使ってました」といった驚きの声が相次いで寄せられている。

   この女性は29日のJ-CASTニュースの取材に応じ、急死したオカメインコは17年8月に生まれたばかりの幼鳥だと説明。その上で、一連の経緯について、ツイッターを通じて次のように回答した。

   まず、女性がアロマディフューザーを購入したのは1月17日。その日から、インコを飼っているリビングでアロマを焚き始めた。女性が寝るとき以外はほぼ一日中、スイッチをオンにしていたという。

   アロマを焚き始めてから1週間後の24日、インコの体調が急変した。どんどん動きが鈍くなり、食事もあまりとらなくなった。女性は25日に動物病院に連れて行ったが、風邪ではないかと診断され、ただ安静にさせるようにとの指示を受けたという。

   しかし、インコはその日の夕方に死んでしまった。当時の状況について女性は「小さな声を上げて落鳥しました。信じられませんでした」と短く振り返った。

獣医「使用は避けるように勧めています」

   その後、女性が愛鳥の死因について考えたところ、心当たりがあったのはアロマディフューザーを使い始めたことだけだった。そこで改めて調べたところ、アロマが小鳥にとって有害な可能性があるとの情報を知ったという。

   この女性によれば、購入したディフューザーとアロマオイルの説明書には、ペットに害を及ぼす可能性があることについての言及はなかった。そのため、注意喚起の意味も込めてツイッターで愛鳥の死について報告したという。

   愛鳥の急死について女性は取材の中で、「悔やんでも悔やみ切れません」とコメント。その上で、

「私は愚かですが、同じような事故が起きませんように、あの子の死が無駄にならないことを祈るばかりです」

と訴えた。

   実際、アロマを焚いたによる小鳥の事故はよくあるものなのか。「小鳥のセンター病院」の池谷院長は29日の取材に対し、「頻繁に聞く事故ではありません」としつつも、

「鳥を飼っているお客様から相談を受けた場合は、アロマディフューザーなどの使用は避けるように勧めています」

と話す。その理由について池谷院長は「鳥によって個体差があり、一概には言えないのですが」と前置きした上で、「アロマを焚くことで中毒死や呼吸不全などを起こす恐れはあります」と指摘する。

   具体的には、(1)アロマオイルの成分そのものにより中毒を起こす恐れ(2)ディフューザー自体が汚い場合、カビなどを部屋中に撒いてしまうケースがあり、肺炎などを起こす恐れ(3)臭いが体質と合わない場合、呼吸器不全を起こす恐れ――の3つの危険性が考えられるとした。