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これは絵?プラモデル?「まさに紙(神)の領域」 ガンプラ驚きの塗装

   これは絵なのかプラモデルなのか――。ヨドバシカメラ・マルチメディア札幌店に展示された、ある「ガンプラ」の作品が大反響だ。

   『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するモビルスーツ「リ・ガズィ」をもじり、作品名は「リ画ズィ」。色鉛筆とペンで独特の塗装が施され、その名の通りパッと見では一枚の「絵画」と見紛う。J-CASTニュースは制作者に話を聞いた。

  • 「今日」さんがガンプラ「リ・ガズィ」で作った「リ画ズィ」。絵ではなく、模型。(写真提供:マージナル(@Emzett_Enuel)さん)
    「今日」さんがガンプラ「リ・ガズィ」で作った「リ画ズィ」。絵ではなく、模型。(写真提供:マージナル(@Emzett_Enuel)さん)
  • 「今日」さんがガンプラ「リ・ガズィ」で作った「リ画ズィ」。絵ではなく、模型。(写真提供:マージナル(@Emzett_Enuel)さん)
  • 別の角度から撮った「リ画ズィ」(写真提供:マージナル(@Emzett_Enuel)さん)
  • 「今日」さんがツイッターに投稿した「リ画ズィ」(写真提供:今日(@kyo512a)さん)
  • 「リ画ズィ」のバックショット。隅々まで塗装されているのがわかる(写真提供:今日(@kyo512a)さん)
  • 額に飾って正面から見るとまさに絵画(写真提供:今日(@kyo512a)さん)
  • 額に飾った状態で斜めから撮ったもの(写真提供:今日(@kyo512a)さん)
  • 「『俺のガンプラ』コンテスト」に応募された他作品(写真提供:ヨドバシカメラ)

「フラッシュ撮影すると絵に見えるよう写る」

   ツイッターユーザーの「マージナル」(@Emzett_Enuel)さんが2018年3月4日に投稿したのは、リ・ガズィの「色鉛筆画」...ではなく、模型の「ガンプラ」を正面から撮影した写真。ヨドバシカメラ・マルチメディア札幌店で開催中の「第4回『俺のガンプラ』コンテスト」に出展されたもので、「色鉛筆とペンで塗り(描き?)ました。フラッシュ撮影すると絵に見えるよう写ると思います」と制作者のコメントが添えられている。

   説明通り、独特の風合いで塗装されたパステルカラーの機体は、写真越しに見るとまるで絵画。斜め上の角度から撮影された別の写真を見ると、脚部が背景の白枠をはみ出しているため、かろうじて立体模型だと分かる。投稿は7日昼までに約5万件の「いいね」を集める大反響。「一瞬紙製の創造物かと...」「まさに紙(神)の領域」「えええ? 絵じゃないの?」と、錯覚するユーザーが続出している。

   この作品は、ヨドバシ札幌店で開催の「第4回『俺のガンプラ』コンテスト」に出展され、店内に展示されているものの1つ。制作した「今日」(@kyo512a)さんは6日、ツイッターのダイレクトメッセージを通じたJ-CASTニュースの取材に、不思議な塗装について「以前タイムラインに流れてきた、ガンプラとその色鉛筆画を画像加工で融合させた作品に感銘を受け、これをガンプラの塗装に施せないか?と思い塗ってみました」とはじめたきっかけを明かす。

   マネできるかは分からないが、コツは「実際のイラストのように光源と陰影を意識して塗っていきました。イラストの知識だけでもあった方がやりやすいかもしれません」とのこと。自身のアカウントでは過去の作品もアップしている。

好みのガンプラは「ジムスナイパーIIかジェガン」

   今回のヨドバシのコンテストに応募できるのは、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)の登場機体のみ。「リ・ガズィ」は主人公アムロ・レイが劇中前半で搭乗するものの、敵将のシャア・アズナブルが駆る「サザビー」などとの性能差から、後半で「ν(ニュー)ガンダム」に乗り換えられる。作中では比較的地味な存在とも言える。

   そのリ・ガズィを今回選んだ理由について、「今日」さんは「作る人が少なそうであまり他の人とカブらないかな?と思ったのと、素組みのまま放置してあったのがたまたまあったので本体だけでもちゃんと塗って完成させてやりました」と語る。

   現在30代の今日さん。ガンプラは子どもの頃に作ってからしばらく離れたものの、8年ほど前に再燃。それからは「大体1体辺り1~3週間程で完成させています」とその熱を明かす。好みの機体を聞いてみると、「本当はガンダムmk-V(マーク・ファイブ)が好きなのですがガンプラで出てないので...出ているものを上げるとすればジムスナイパーIIかジェガンですね。どちらも以前に数体作っています。今回のコンテストはジェガンにしようかとも思いました」と語ってくれた。

   コンテストを開催するヨドバシ札幌店のゲーム・ホビー・コーナー担当、寺田保(たもつ)さんは6日、J-CASTニュースの取材に「『リ画ズィ』はかなり新しい創意工夫が施されていると店員の間でも驚きました。見た目のインパクトもあります」と印象を語った。

   「ガンプラは、せっかく作っても自分や友達同士だけで見る場合が多いです。作品を募り、展示して多くの人の目に触れて楽しんでもらえたらという思いもあって、昨年から始まりました」というコンテスト。応募上限は1人1体で30人までとしていたが、人気のため展示スペースに入りきる40人程度まで受け付けた。通りすがりに立ち止まって見ていく来店客は多く、外国人観光客にも人気という。