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長友、「南アW杯では2週間でヒーローになった」 批判に反論も「結果出してから言え」と火に油?

   サッカー日本代表が苦しい。ロシア・ワールドカップ(W杯)を目前に控えながら、格下のマリ戦は消極的なプレーが多く、批判にさらされた。

   だが、DF長友佑都(トルコ1部・ガラタサライ)は2018年3月25日、「2010年W杯前も同じように批判された。批判され続けた僕らは僅か2週間でヒーローになった」と、本大会直前まで低迷しながらベスト16進出を果たした10年南アフリカW杯を懐古。その再現を誓う言葉と見受けられるが、時期が時期だけに「ベスト16でヒーローと騒がれて満足してますか?」などと揶揄する声があがった。

  • 長友佑都(2016年12月撮影)
    長友佑都(2016年12月撮影)
  • 長友佑都(2016年12月撮影)

「みんな手のひらを返し、称賛した」

   ベルギーで23日に行われた「仮想セネガル」のマリ戦は、攻撃の糸口をつかめず、DFラインとGKで無為にボール回しする時間も長かった。数少ないチャンスもシュート精度を欠いた。守備ではスルーパス1本で簡単に裏をつかれるなど安定さを欠き、前半に不用意なPKを献上して1点ビハインド。後半終了間際にFW中島翔哉(ポルトガル1部・ポルティモネンセ)の同点弾で1-1の引き分けに持ち込むのがやっとだった。

   W杯まで残り3か月ながら不安がよぎったこの試合だが、長友は8年前を思い出して前向きだ。25日、ツイッターに

「2010年W杯前も同じように批判された。批判され続けた僕らは僅か2週間でヒーローになった。みんな手のひらを返し、称賛した。ピンチはチャンス。厳しい状況で、一歩踏み出す勇気を持ったものだけがチャンスを掴む」

と投稿している。

   10年6月の南アW杯は、同年4月の親善試合・セルビア戦に0-3、5月の韓国戦に0-2と惨敗。さらに直前5月末のイングランド戦は1-2、6月初旬のコートジボワール戦は0-2と絶望的な結果のなかで本大会を迎えた。だが、グループリーグ初戦のカメルーン戦で1-0と勝利すると、オランダ戦は0-1で敗れるも、デンマーク戦で3-1と勝利し、大方の予想を覆して決勝トーナメント進出を果たした。

   長友は当時を戦った数少ないメンバー。その再現を狙うような上記投稿には、

「たぶん今舐められてますし情報も固まってないでしょうし ピンチはチャンスです」
「南アフリカの時もこんな状況だった。声だけでかいやつらが騒いで、本番ではリアリスティックに戦った。そして勝った。声だけでかいやつらは手のひらを返した」
「10年のようになること信じてるのでこの逆境を乗り越えて頑張ってください!」

といった応援メッセージが多数寄せられた。

   だが一方で、マリ戦直後というタイミングのせいか、

「ベスト16で賞賛される日本のレベルに失望するね。シュートも枠にはいらない、ましてやシュートも打たない」
「ベスト16でヒーローと騒がれて満足してますか?」
「あの結果でヒーローは勘違いすぎいいい」
「それはいちいちツイートすることじゃないだろ。結果出してから言えや」

と、逆に怒りの火に油を注ぐような形にもなっている。

「ハリルのサッカーはピンチをチャンスに出来ますか?」

   中には、

「南アの時はさ、起死回生の本田トップが、たまたま当たっただけだから...」

との指摘もある。

   南アW杯では、当時の岡田武史監督が大会直前に大胆な戦術変更を決断した。その象徴が、得点力に秀でるFW本田圭佑の1トップ起用。さらに、DFラインと2ボランチの間にアンカーとしてMF阿部勇樹を置くなどし、自陣深くで守ってからのカウンターサッカーへと舵を取った。初めて実戦で試したのは上述したイングランド戦だったが、そのわずか2週間後の本大会で見事にハマった。

   傍からみれば「大博打」に勝ったような展開だ。これが再びできるかは疑問に思ったユーザーもいたようで、長友には「ハリルのサッカーはピンチをチャンスに出来ますか?」と尋ねる声もある。

   そうしたなか、長友は26日未明にツイッターを更新し、

「勘違いしてほしくないのは、周りからヒーローのように称賛されたということ。自分自身、結果に満足してないし、だからこそW杯で勝つために、自分のエネルギー全てを注いでいる」

と、反発の声に釈明するような投稿をしている。