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なぜ社長ではなく「同僚」が謝罪するのか 「トップ不在」TOKIO会見への疑問

   「TOKIO」のメンバー4人による記者会見で新たな局面を迎えた、山口達也メンバー(46)の強制わいせつ事件。会見の壇上に、やはりというべきか、あの人の姿はなかった。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(86)だ。

   この会見は多くの民放各局で生中継され、国民の関心を広く集めることに。「トップ不在」の謝罪会見に、ツイッターでは疑問の声が寄せられている。

  • 会見に臨んだTOKIOのメンバー(写真は2018年5月2日撮影)
    会見に臨んだTOKIOのメンバー(写真は2018年5月2日撮影)
  • 会見に臨んだTOKIOのメンバー(写真は2018年5月2日撮影)

「一般の企業だとトップが謝罪するもんなのに」

   「TOKIO」の城島茂さん(47)と国分太一さん(43)、松岡昌宏さん(41)、長瀬智也さん(39)は2018年5月2日、黒いスーツ姿で会見場に登場。城島さんが謝罪の言葉を述べ、4人は約20秒間、深々と頭を下げた。各々がその後、山口メンバーの一件に関する思いの丈を述べ、報道陣との質疑応答に応じた。

   そんな中、ツイッターなどインターネット上ではこの会見場にいない人物に関する話題で持ち切りに。いまだ表舞台に出てこないジャニー喜多川社長を含めた事務所幹部らに対する疑問の声が噴出したのだ。

「なんで事務所のトップの人たちは不在なんだろう」
「ジャニー喜多川さんなんで出てこないのかな?」
「メンバーに謝らせてジャニーさんは謝罪会見しないの?」

   仮に民間の企業が不祥事で記者会見を開く場合、経営トップが姿を見せるものだ――。こんな観点から、

「一般の企業だとトップが謝罪するもんなのに何だかなぁ...」
「社員が不祥事起こして同僚が謝罪会見する会社なんてあるか?」
「謝罪会見すべきは、会社の責任者、管理者」

との声も上がった。

   ジャニー社長は会見前日、マスコミ各社に発表したコメントで、被害者や関係各位に謝罪し、「山口が起こしました事件の事実並びにことの重大さには変わりございません」とコメント。「私自身はすべての所属タレントの『親』としての責任を負いながら今後も彼らが『ひと』として成長できますよう、支援し続けて参る所存でございます」と伝えていた。

城島リーダーには「大丈夫か」と声かける

   とはいえジャニー社長がこうして、所属タレントの不祥事やスキャンダルで本人名義のコメントを発表するのは、それ自体異例のことだ。

   過去のスポーツ記事などによれば、ジャニー社長は「裏方の人間は表に出るべきではない」との考えから、撮影なしのメディア取材しか応じていなかったが、2011年、初めて隠し撮り以外でベールを脱いだ。「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」としてギネスブックの認定を受けた際、顔写真を公開したのだ。

   ただそれ以来、ジャニー社長はほとんど表舞台に登場していない。その姿勢を象徴するのが、2016年のSMAP解散騒動である。

   ジャニー社長は16年5月にSMAP解散を否定したが、8月の解散発表ではコメントを出さなかった。17年1月にようやく朝日新聞のインタビュー取材で解散に言及。6月に稲垣吾郎さんら3人の事務所退所を発表した際、マスコミ各社にコメントを送付した。

   こうしたジャニー社長を知るTOKIOメンバーの口から、会見場に来てくれないことに対する怒りの言葉など、出てくるはずもないかもしれない。

   城島さんは会見の質疑応答で、前日に仕事の話題でジャニー社長に電話したと告白。「怒られると思ったが『大丈夫か』と。23年デビューしてから流れてるんだな、まだ心配させてるんだなこのグループは、と申し訳ない気持ちになった」と話した。

   松岡さんも「(TOKIOの)『親』ですから。こんなコメントを出させてしまったのが情けない」と語り、長瀬さんも「こういう形でのコメントで、申し訳ない気持ちです」と謝罪の言葉を述べた。