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「紀州のドン・ファン」急死に家宅捜査 著書で明かしていた「幸福になる自信」

   「紀州のドン・ファン」こと和歌山県田辺市在住の実業家、野崎幸助さん(77)が自宅で死亡しているのが見つかった。司法解剖の結果、多量の覚せい剤が検出されたと各紙が報じている。

   女性が生きがいだと公言してワイドショーにも取り上げられ、2018年2月にはモデルの女性(21)と再々婚したばかり。一体何があったのだろうか。

  • 野崎幸助さんの生前の著書
    野崎幸助さんの生前の著書
  • 野崎幸助さんの生前の著書

「ボクの最後の女性になってくれませんか?」

   「いい女を抱くためだけに、私は大金持ちになった」。野崎さんが2016年12月に出した著書「紀州のドン・ファン」(講談社刊)の帯に付いた、刺激的なフレーズだ。

   野崎さんは16年2月、高級デートクラブで知り合った27歳の愛人に現金600万円と5400万円相当の貴金属を盗まれた事件で、一躍時の人になった。著書は、「美女4000人に30億円を貢いだ男」として、これまでの女性遍歴を赤裸々につづっており、18年4月には、その続編「野望篇」も出した。

   その中で、2月に再々婚したことを報告している。過去に何度も痛い目に遭ったことがあるものの、今度は幸福になる自信があるとして、「ボクの最後の女性になってくれませんか?」と、55歳下の女性にプロポーズした、などとつづっていた。

   ところが、それからわずか3か月ほどで、野崎さんの人生が暗転してしまった。

   メディア報道によると、野崎さんは5月24日夜、自宅2階の寝室でソファに座った状態で亡くなっていた。和歌山県警は、何者かが故意に覚せい剤を摂取させた可能性もあるとして、自宅を家宅捜索するとともに、関係者から事情を聴いている。

金持ちになって美女を抱きたいと試行錯誤

   野崎幸助さんは、地元の中学を卒業後、鉄くず拾いなどをしていたが、コンドームの訪問販売で実業家として成功した。亡くなるまで、酒類販売業を営むほか、不動産業や金融業も手がけていた。

   裸一貫から成り上がった原動力が、金持ちになって美女を抱きたいという思いだという。「紀州のドン・ファン」の著書では、女性にもてようとして、失敗しながらも、ナンパやクラブ通いを繰り返した自らの体験がつづられている。

   例えば、客室乗務員(CA)と近づくために、野崎さんは、ある手法を編み出す。それは、特注名刺を作って、1万円札を挟むというやり方だ。女性大生をナンパするのに、40万円をあげると持ちかけるが、その際に威力を発揮するのがこの名刺だという。

   そんな野崎さんでも、結婚願望が強かったといい、ようやく「最後の女性」にたどりついた。しかし、ほどなく悲劇を迎えてしまった。

   野崎さんは、夕刊紙「日刊ゲンダイ」で、亡くなるまで連載を続けていた。同紙の記事では、しばらくはストック原稿を掲載する予定だとしている。