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「にわかファン叩き」がコミュニティ潰す キンコン西野の持論に共感の声

   お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんが、サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)の盛り上がりを機に、「にわかファン叩き」の風潮に釘を刺した。

   ビジネス本を出版するなど幅広く活躍する西野さん。「にわか」を否定することによる社会的な悪影響を指摘し、共感を集めている。

  • 西野亮廣さん(2016年撮影)
    西野亮廣さん(2016年撮影)
  • 西野亮廣さん(2016年撮影)

「謎ルールに痺れる!」

   西野さんは2018年6月26日に更新したブログで、「『にわかファン』を否定する人間のバカさ」について論じた。きっかけはロシアW杯だ。「ワールドカップが盛り上がっております。日本代表も善戦を続けていて、おかげで日本が活気づいているので嬉しいかぎりです」とまずは語る。

   14日に開幕したW杯で、日本はコロンビアに勝利、セネガルには引き分けと、格上相手に無敗の快進撃。2大会ぶりの決勝トーナメント進出に向けてサポーターの期待も高まり、SNSなどインターネット上の各所ではサッカーの議論が展開されている。

   その中で、西野さんは気になったことをこうつづる。

「Twitterのタイムライン上に目につくのは、『ワールドカップの時だけ盛り上がる"にわかファン"がムカつく!』『普段、Jリーグの試合を観ていないクセに!』といった 『にわかファン』を否定するコメント」

   小さな字で「ワールドカップの試合を応援するんだったらJリーグの試合も応援しなきゃいけないという謎ルールに痺れる!」と皮肉も放った。

   確かにツイッターを見ると「W杯で東京がワイワイやってるけどその多くはサッカー知らない流れに乗ってるだけのにわかとかいるんだろうな」「にわかスポーツファンが一番嫌い」といった、「W杯の時だけサッカーに関心を示すにわかファン」に嫌悪感を示す声が少なくない。

「新しく生まれるファンができなくなる」

   西野さんはブログで、冷静にそうした「にわかファン叩き」を「論破」しにかかった。それもW杯やサッカーに限らず、あらゆる業界に当てはまる一般論で、

「すべてのファンの入り口は『にわかファン』であるので(もちろん批判してる本人も元は『にわかファン』であった)、ここを否定してしまうと、新しく生まれるファンができなくなるので、当然、業界は先細ります」

と主張。その上で、

「つまり、『にわかファン』を否定することは、自分が応援している人(モノ)を間接的に潰すことになるわけですね」

と忠告するように指摘している。

   また、「こんなことは今に始まったことではなくて、ほとんどのコミュニティは風紀委員として過剰にドヤる古参が潰すことは歴史が証明している」と引き合いに出した。

   そのため、自身のオンラインサロンでは、「『にわか』を否定する行為を徹底して認めません(場合によっては退会していただきます)」とルールを設けていることも明かした。実際に会員数が増加しているとして、「大切なのは『にわかを否定しない』ということだと思います。結果で証明します」とつづった。

   こうした考え方に対して、ツイッター上では「ホントそれ!」「これはほんとにそう思う」「にわかファン、ミーハーファンがいるから、成り立つんだよね」といった共感が集まっている。