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2歳児「3日サバイバル」に医者もビックリ 「水」「食料」「高温」の謎

   山口県周防大島町で行方不明になっていた同県防府市の藤本理稀(よしき)ちゃん(2)が2018年8月15日朝、無事に保護された。理稀ちゃんがいなくなったのは12日午前のことで、約3日にわたるサバイバル劇だ。

   過去にも2歳児が数日間行方不明になった末に無事に保護された事例はあるが、理稀ちゃんが行方不明になっていた期間は猛暑が続いていた。こういった厳しいコンディションで理稀ちゃんがどう過ごしていたのか、「サバイバル術」の解明が待たれることになりそうだ。

  • 渓流なら水は飲めるはずだが…(写真はイメージ、今回の事案と直接の関係はありません)
    渓流なら水は飲めるはずだが…(写真はイメージ、今回の事案と直接の関係はありません)
  • 渓流なら水は飲めるはずだが…(写真はイメージ、今回の事案と直接の関係はありません)

3日連続で気温は33度に達する

   理稀ちゃんは12日の10時30分頃、帰省先の曽祖父宅から約400メートル離れた海岸に海水浴に行こうと、祖父らと外出。家を出発して100メートルのところで理稀ちゃんだけが引き返し、家からの道と違う道を進むのを祖父が見ていた。その後行方が分からなくなったが、15日朝に曾祖父宅付近の山中で発見された。目立った外傷はなかったが、軽い脱水症状があったため、経過観察のために入院した

   理稀ちゃんの3日間の足取りは不明だ。気象庁の観測データによると、理稀ちゃんがいなくなった12~14日は、周防大島の天気は晴れで、最も涼しい早朝でも25度程度。最も暑い14~16時頃には33度に達しており、かなり過酷な環境だった可能性もある。ただ、発見現場の近くには沢が流れており、水がきれいかどうかはともかく、水分は補給できていた可能性もあるとみられる。

小児科医師も「びっくり。奇跡かなと思います」

   それでも、なぜ理稀ちゃんが「軽い脱水症状」で済んだのかは判然としない。

   同日昼放送の「ミヤネ屋」(読売テレビ)では、2歳児が1日生活するには、夏場は水1.5~2リットルと、栄養1000キロカロリー(子ども用の茶碗で6杯分)が必要で、摂取できなければ半日程度で低血糖状態になってしまうことを指摘。

   番組に出演していた、大阪市立総合医療センター救命救急部小児科担当の吉野智美医師は

「お水を飲んでいたことで脱水にならなかった、軽く済んだということもあるかもしれない。ただ、2歳の方でうまく手ですくって飲んだのかなぁ、というのは疑問が残る」
「お子さんは結構外気の影響を受けやすく、熱中症になりやすい」
「本当にこれ(編注:3日間何も食べていないとみられること)についてもびっくり。奇跡かなと思います」

と、驚きを隠さなかった。