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ひろゆきと唐澤貴洋弁護士が因縁対決 「ネット掲示板の管理責任」めぐり激論

   2018年10月30日にAbemaTVで放送された「AbemaPrime」で繰り広げられたひろゆき氏と唐澤貴洋弁護士のバトルが話題だ。番組では、ネット炎上をテーマに番組を展開。ゲストとして2ちゃんねる創始者のひろゆき(西村博之)さんと、ネットトラブルの対応を専門とする唐澤弁護士を招き、ネット上の書き込みをめぐるトラブルについての法律論を展開した。

   番組では、唐澤氏が2012年に依頼人からの要請で2ちゃんねるに対して削除要請をしたことをきっかけに、ネット上での誹謗中傷や、実家への悪戯などの実害を受けるようになった事実を紹介。番組から一通りの説明が終わると、唐澤さんは12年当時に、実質的な管理者だったとみられるひろゆき氏に対して管理責任を問うべく接触を開始したエピソードを紹介しつつ、書き込みが出来る場を提供していた掲示板の管理者の責任を問う主張を展開した。

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議論が膠着化するも、もう1人のゲストが論点を整理

   これに対し、ひろゆきさんは掲示板の管理者の責任を問うよりは、攻撃的な書き込みを行う人物の責任を追及した方がネット上の攻撃は減っていくとの主張を展開。法律論に加え、ネットの書き込みの追跡性など技術的な話も持ち出しつつ議論を進めた。このような形で双方が主張を続け、番組中盤では議論が膠着状態になり始めた。

   すると、同じくゲストとして出演していた一般社団法人「リディラバ」代表の安部敏樹さんが割って入り、

「インターネット上に匿名で書き込める状態があるときに、書き込める状態を提示した人にどれぐらいの責任があるのか、あるとするならば、(問題が発生した場合、)その後の事後処理をやるべきではないか、と唐澤さんは言っているってことですよね」

と指摘し、唐澤さんも「そうです」と即答。話を本来の「ネット掲示板に書き込まれた誹謗中傷について、管理人に管理責任はあるのか?」というテーマに引き戻した。

   その上で安部さんは、2007年に2chにひろゆきさんが講演会を行う予定だった東京大学に爆破予告があったエピソードを披露。後日、安部さんがひろゆきさんに会い、爆破予告についてどう思うかを尋ねた際の答えが「非常に興味深かった」とした上で、

「ひろゆきさんが、『2ちゃんねるとは、言ってみればアルカイダみたいなもので、ネットワークの頭を潰しても(組織全体が)なくなることはない。(ゆえに、)今さら僕がいなくなってもどうにもならない』という話をしていた」
「(これを聞いて私は、)ひろゆきさんが『自分の責任の範囲を超えてしまった』という話をしていたのかな、と思った」

と、ひろゆきさんが語っていたと指摘した。

ひろゆきさん「誹謗中傷する人は別の場所でもやる」

   これに対し、ひろゆきさんは

   「2chがなくなっても誹謗中傷する人はツイッターなど、ほかのコミュニティーでもそういうことはやる」「誹謗中傷する人は移動していくので、特定のサイトで書き込みの禁止をするよりも、被害を受けた人が、書き込みをした人を追及して『誹謗中傷したら損だ』という状況にすべき」といった内容の主張を展開。掲示板の設置者よりも、犯行予告などの行為を行う人を特定し、その人を追及した方が良いとの考えを改めて示した。

   この後、議論は掲示板を運用するプロバイダーへの書き込み削除要請の際の法律論に移行。最後までひろゆきさん、唐澤さん双方譲らずの展開には「平成最後の神々の対決」などの称賛が視聴者から贈られた。