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「ゴリラ筆圧の方にオススメ!」が大うけ 消しゴム宣伝フレーズの意図、メーカーに聞いた

   「ゴリラ筆圧の方にオススメ!」――文具メーカー・サクラクレパス(本社・大阪市)の消しゴム「Arch(アーチ)」に添えられたこんな印象的なフレーズが、ツイッター上で拡散されている。

   一体どういう意図で持ち出した言葉なのか。サクラクレパスに話を聞いた。

  • ツイッターに投稿されたサクラクレパスの消しゴム「アーチ」のパネル(投稿者の許諾を得て掲載しています)
    ツイッターに投稿されたサクラクレパスの消しゴム「アーチ」のパネル(投稿者の許諾を得て掲載しています)
  • ツイッターに投稿されたサクラクレパスの消しゴム「アーチ」のパネル(投稿者の許諾を得て掲載しています)
  • 消しゴム「アーチ」のパネルの全体図(画像提供:サクラクレパス)

「素晴らしい、ぜひ購入しよう」

   あるツイッターユーザーが2018年11月10日に投稿したのは、「アーチ」を宣伝する店内パネルを撮影した1枚の写真。「進化形消しゴム」の下に太字で書かれているのが、

「ゴリラ筆圧の方にオススメ!」

というキャッチコピーだ。

   強烈なフレーズは7万2000以上「いいね」がつくなど話題を集め、「素晴らしい、ぜひ購入しよう」といった声も相次いだ。また、「使ってるやつじゃん ゴリラ筆圧笑」「そうか...自分もゴリラだったのか...」と、商品のユーザーでもこのフレーズまでは知らない人が多いようだ。

   どんな経緯でこの言葉が採用されたのか。J-CASTニュースが14日、サクラクレパスの広報担当を取材すると、

「ツイッターで以前、『ゴリラ筆圧』でもアーチなら大丈夫、という旨の投稿があったのがきっかけです。それを見て私どもも良いワードだなと思い、使わせてもらうようになりました。最初に見たのが2017年3月ごろで、それ以降もユーザーの間で使われていました」

と話す。既にインターネット上で使われていた「ネタ」フレーズだったということだ。実際に本物のゴリラが書いた文字を「アーチ」で消してみるなどの検証はしていないという。

   「ゴリラ筆圧」という言葉自体が使われたのは、ツイッターで確認できる限り、古くは10年4月。その後17年3月、あるユーザーが「『ゴリラ筆圧でもよく消える』と評判のアーチ消しゴム」と投稿して数十リツイートされるなど、「アーチ」と結び付けるネタが徐々に拡大した。以降も時々「ゴリラ筆圧といえばアーチ」とする投稿が見られていた。

企業のプレスリリースにも登場

   こうした流れにサクラクレパス自身が乗った。17年11月6日の公式ツイッターで「『ゴリラ筆圧でもよく消える』と話題になった『アーチ消しゴム』をご存じの方(使ってるよという方)いらっしゃいますか~?」と投稿していたのだ。

   さらに17年11月9日、細長い形状をした「アーチ スリムタイプ」発売にあたって発表したプレスリリースで、「ゴリラ筆圧でもよく消える!」と書かれているのが分かる。

   そして18年秋、SNS、プレスリリースに続き、今回話題になった「ゴリラ筆圧の方にオススメ!」の展示パネルを制作。広報担当によると、見本市や展示会などの場で置かれたものだという。

   「アーチ」の大きな特徴は、強めにこすっても折れづらいこと。名前の通り、スリーブが弧を描いており、消しゴムのカドへの食い込みが軽減されるためだという。一方、公式サイトは「驚くほど消しやすい・折れない」というコピーのみで、「ゴリラ筆圧」は見られない。これは発売が14年で、「既存商品のHPの更新を定期的にしているわけではないため」だとしている。

   今回ツイッターで話題になっていることについては「嬉しいです。何か御礼を言いたいなとは思っていましたが、弊社がそこに入ってしまうのも何か違うかなと思い、静観していました。コメントを見て、『ゴリラ筆圧でも消えるアーチ』と触れていただけるのはありがたいですね」と話していた。