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原監督の若手起用アピールに潜む危険 紅白戦前倒しで「潰れかねない」

   巨人は2019年1月16日、春季キャンプ3日目の2月3日に紅白戦を開催することを決めた。原辰徳監督(60)の強い意向が反映されたもので、1軍の若手選手と2軍の若手選手によるサバイバルマッチとなる。過去の原政権でも例を見ないキャンプ3日目の「実践」に関係者やファンから「若手が潰れかねない」との声が上がっている。

   1軍入りを目指す若手選手にとって2・3紅白戦は事実上の一発勝負となる。キャンプ第2クールの10日、11日にも紅白戦が予定されているが、これは1軍を主体とするもの。1軍は13日から宮崎から沖縄に移動してキャンプを行う予定で、これに伴い原監督も沖縄に移動。若手選手は2・3紅白戦で結果を残さなければ、沖縄行きの切符を手にすることが出来ない。

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「こんなに早くやって大丈夫かい?寒い時は、怪我が多いからねぇ。」

   これまで原監督が指揮を執った2度の政権下で、キャンプ紅白戦開始は2月11日が最速だった。昨年の高橋由伸監督は2月9日に紅白戦を実施。過去には1995年の長嶋茂雄監督時代、2月5日に紅白戦を行ったことがあり、他球団ではキャンプ序盤に紅白戦を行う傾向が見られ始めたが、巨人ではキャンプ中盤での初実践が通例となっており、今回の2月3日は異例の事態である。

   若手選手にチャンスを与えるという名目の紅白戦で、「若手育成」を掲げる原監督にとっても絶好のアピールとなる。ただその一方で、関係者からはキャンプ3日目の実践を不安視する声も上がっている。

「1軍入りを狙う若い選手は、2月3日に向けて急ピッチで仕上げなければならない。まだ寒さの残るこの時期に無理をすれば故障につながる。確かに若手にとってチャンスはチャンスだが、ここで故障者が出てしまったら若手の芽を摘むことになりかねない」

   ネットでも同様に選手のケガを心配する声が多数寄せられている。

「狙いは良いが、くれぐれも怪我だけはしないように。」
「そんなに急に実戦形式でやって怪我人が出ないと良いですけどね......」
「こんなに早くやって大丈夫かい?寒い時は、怪我が多いからねぇ。」

1軍をかけた事実上の一発勝負

   また、前出の関係者は、1軍をかけた事実上の一発勝負となる「査定」方法にも疑問を投げかける。

「原監督が本当に若手育成を考えているのならば、もっと長い目でチャンスを与えるべき。1軍の選手はある程度、力は分かっているので沖縄に移動してから見定めても遅くはない。いくら若手が仕上げてきたからといって宮崎キャンプの3日目で、成長ぶりを見極めるのは難しいはず。選手にとってもあまりにも酷」

   今オフ、巨人はFA(フリーエージェント)で丸佳浩外野手(29)、炭谷銀仁朗捕手(31)を獲得。FAの人的補償として内海哲也投手(36)と長野久義外野手(34)を失ったとはいえ、岩隈久志投手(37)、中島宏之内野手(36)らベテラン勢に加えて新外国人の補強により、若手選手の1軍入りは狭き門であることに変わりない。

   前例を覆してまでも強行に推し進める全権監督の「改革」。第3次原政権が2月1日、本格始動する。