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明石市長に「一呼吸置いての再起を期待」 橋下氏が辞職評価する一方で...

   「(建物に)火つけてこい」発言で騒動になっていた兵庫県明石市の泉房穂市長が会見を開き、辞職を表明した。

   この決断に対し、ツイッターでは前大阪市長の橋下徹氏らが評価する声をあげる一方、「辞める必要ない」と引き留めるような意見も並んだ。発言をめぐっては、問題とされた部分以外に職務遂行への熱意を感じさせるような内容もあるとして、問題視しなかったり、むしろ高く評価したりする意見もあがっていた。

  • 泉房穂氏は今後どうする(氏の公式サイトより)
    泉房穂氏は今後どうする(氏の公式サイトより)
  • 泉房穂氏は今後どうする(氏の公式サイトより)

会見では涙ぐむ場面も

   泉市長は2019年2月1日、記者会見して2日付の辞職願を市議会議長に提出したと明らかにした。各メディアが問題の発言(17年6月)を報じた19年1月29日の段階では、辞職を否定し、4月に予定されている市長選への立候補表明を撤回する考えもないことを公表していた。

   2月1日の会見では、今回の辞職は自らに課した「処分」であり、「自らのリーダーとしての資質が問われて」おり、「怒りという感情をコントロールできない者がリーダーにふさわしいわけではない」と、辞職の判断に至った理由を説明した。時折、涙ぐむかのような悲痛な表情も浮かべていた。

   出直し市長選に立候補するのか、と問われると

「そこは本当に分からない」
「(現時点は自分への処分で)精いっぱいで、その先のことを言える段階ではありません」

と明言を避けた。一方で、「まだまだやりたいことも、いっぱいある」と、未練とも再起を図る意欲ともとれる発言もあった。

「辞職は当然」VS「辞める必要ない」

   辞職の方向は会見前から各メディアが伝えており、ツイッターには賛否の声が寄せられた。橋下徹氏は

「適切な判断。この発言は政治家として一発アウトのライン。これで一呼吸置いて再起を図るチャンスを得た。ここで責任を取らなければ、以降同種事案で偉そうなことが言えなくなる。(略)」

と評価。他にも、

「(辞職は)当然の帰結だが、潔い」

といった指摘や、

「辞職は当然かなあ。行政手腕があるにせよ、これはダメだろ」

と、当然視する声も寄せられていた。一方で、

「辞める必要ないべ」
「辞めなくていいのにな。(発言)切り出しのニュースでガタガタ言われて」

といった擁護論も目立った。問題とされた発言以外の部分では、「市民の安全のためやないか」「行って難しければ、私が行きますけど。土下座でもしますわ」とも話している録音データもあることを評価していた人たちからの意見のようだ。

出直し選出馬を期待する向きも

   辞職に伴う出直し市長選への立候補の是非については、橋下氏は先のツイートの後半やその直前ツイートで、

「泉さん、一呼吸置いての再起を期待します」
「選挙は政策選択のためのもの。政治家の不祥事をクリアーするために選挙を使ってはならない」

と、否定的な考えを示して釘を刺した。

   他にも立候補へ否定的な意見としては、泉市長の会見での自己分析に触れたうえで、

「己の資質の欠如をいま悟った。悟り切れば、(次の選挙には)立候補しないだろう」

といったものもあった。一方で立候補へ期待を示す人もおり、

「出直し選挙出て下さいね」
「また出馬しなよ」

と促していた。なかには、今回の会見段階では明言しなかった、という態度に深謀遠慮さを感じてか、

「明石市長、なんか諸葛亮(孔明)みたいなやめ方してますね」

と、中国の「三国志」で知られる名軍師・政治家の名前を挙げる人もいた。

   泉市長の辞職に伴い、市選挙管理委員会へ市議会議長から通知が届くと、50日以内に出直し市長選が行われる。単純計算すると、3月後半までに実施される流れとなる。泉氏が出る、出ないにかかわらず、別の候補が当選すれば、新しい任期4年が始まる。

   一方、もし泉氏が出直し選に立候補して当選した場合は、泉氏のもともとの任期(4月末)が適用されるため、当初予定されていた4月21日(統一地方選)にまた市長選が行われることになる。