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「玄米食べてれば...」「生まれ変わって...」 芸能人結婚への絶叫に意外な「男女差」

   元AKB48の篠田麻里子さん(32)が2019年2月20日、3歳年下の一般男性との結婚を発表した。

   「AKBの麻里子様」が結婚したとあってネット上は大騒ぎ。加え、篠田さんが挙げた、玄米食の食習慣を相手と共有できたから、という結婚の理由が非常にキャッチーだったため、ネット上は「玄米祭り」とでも言える状況だ。

  • 結婚を発表した篠田麻里子さん(2011年撮影)
    結婚を発表した篠田麻里子さん(2011年撮影)
  • 結婚を発表した篠田麻里子さん(2011年撮影)

玄米を食べていれば篠田さんと結婚...できないよ!

   発表から丸1日がたっても大きな注目を集め続けている篠田さんの結婚。中でも「玄米」に言及するネット上の書き込みは多いが、そのようなものの中でも特徴的なのが、

「俺も玄米食べて育ったんだけどなぁ」
「子供の頃に母親から玄米は体に良いからって苦いのに食べさせられたけど、アイドルと結婚出来るという効果までは聞いてない」

   と、これまでに玄米を食べてきたか否かということと、篠田さんの結婚を絡めて嘆くツイートが、篠田さんファンからとみられるアカウントから噴出していることだ。

   「玄米を食べること」と「ファンが篠田麻里子と結婚できる可能性の有無」は全く関係ないのは明らかだ。にもかかわらず、女性芸能人が結婚した際にはこの手の不合理な発想のツイートが、その都度ネット上では大量に発生する。

   2017年4月9日に女優の佐々木希さん(31)が結婚を発表した際、「今死ねば佐々木希の子供になれる可能性があるじゃないか!」といったツイートが男性ファンたちから噴出。同様のツイートは、佐々木さんが妊娠を発表した時、および、出産した時にも見られ、「昨日までに死ねば佐々木希の子供に転生できた可能性があったわけか...」と荒れる男性ファンが続出した。

   2018年7月末にはさらに「悲惨な」事態が発生した。同月には26日に桐谷美玲さん(29)が結婚を発表。その5日後の31日には前田敦子さん(27)が、やはり結婚を発表。このため、この時は両ファンの嘆きが同時期にこだましたほか、「桐谷美玲が結婚したから転生して子供なろうかと思ったけど前田敦子も結婚したのでやめます」と、両方の結婚を絡めたツイートまで見られる事態となった。

女性ファンは「最後の砦」を替え続ける

   一方、男性芸能人が結婚した際にも女性ファンからは不合理な発想のツイートが飛び出す。上記のような声がないではないが、それらの色彩は男性ファンたちのツイートとはやや異なる。

   2014年に西島秀俊さん(47)が結婚した際には、ネット上は別の男性芸能人の名前を挙げつつ、「西島秀俊が結婚しても、○○はまだ独身だ!」という趣旨のツイートが噴出。その後、○○に該当する男性芸能人(福山雅治さんなど)の何人かは結婚したが、それでも、そのたびに

「○○はまだ独身だ!」「最後の砦は落城してないぞ!」

   と、自らを鼓舞する女性ファンが続出。押しの対象を別の男性芸能人に変更することで無限に「最後の砦」を発生させ、自らを慰める女性がそのつど続出しているのだ。

「代償行為」で立ち直ろうとするファンたち

   このように、「芸能人が結婚した際には、その異性のファンから不合理な発想のツイートが噴出する」のはなぜなのか。経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は、これらのツイートを心理学でいう「代償行為」であると指摘した上で、その行い方には性差が出ると指摘する。

   「悲しみから立ち直るべく、男性ファンたちは、『玄米を食べていれば......』『子供として転生したい』といった『妄想』で絶望的状況を乗り切ろうとします。特に『子供に転生したい』との妄想は対象となる女性芸能人の胎内に入る、つまり、一体化を願う妄想なので、非常に強力な満足感が得られます。このような妄想を繰り返すことで、男性ファンは立ち直っていくのです」

   「一方の女性ファンたちですが、女性は男性よりも執着が弱いので、願いがかなわないと分かった瞬間から、それまでの対象には目が行かなくなります。その結果、ダメと分かった対象からまだ僅かにでも可能性がある対象への乗り換えを行います。このような乗り換え行為を繰り返すことで、女性ファンたちは致命傷を負わずに済んでいるのです」

   憧れの芸能人が結婚という絶望的な状況が幾度訪れようとも、そのたびに芸能人のファンたちは何度でも立ち上がり続けることだろう。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)