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阪神・藤浪、不調の要因は「メンタル面」? 専門家が説く「必要なこと」

   阪神・藤浪晋太郎投手(24)の調子が一向に上がらない。2019年2月24日の中日戦では、4回6四死球で3失点。中日戦では走者を背負う場面で制球が乱れ、4回71球であえなく降板となった。

   今キャンプでは異例ともいえる200球を超える投げ込みを行い、フォームの改良に試行錯誤しているが、一向にフォームが固まらずファンや関係者の間で不安の声がささやかれている。

  • 阪神の本拠地・甲子園球場
    阪神の本拠地・甲子園球場
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3度目の実践でも... 専門家が分析すると

   今キャンプ初の実戦形式で臨んだ2月11日の紅白戦では、紅組の先発としてマウンドに上がり2回2安打1失点。最速151キロをマークするも、2つの死球を与える不安いっぱいのスタートとなった。初の対外試合となった17日の日ハム戦では、3回を2失点に抑えたものの、またも走者を背負ってから制球が乱れ7安打を許した。そして3度目の実戦でも課題が克服には至らなかった。

   150キロを超える速球と制球難。打者に的を絞らせにくいこの荒れ球は時に功を奏すことがあるが、これが抜けた場合、危険球となる恐れが大いにある。かつて「イップス疑惑」があがったほど繊細な神経を持ち合わせる藤浪だが、今の藤浪に何が必要なのか。J-CASTニュースは、プロ野球選手のメンタルトレーナーを務める「IMTメンタルオフィス」(東京・千代田区)の阿部久美子氏に見解を聞いた。

   阪神ファンは12球団の中でも熱狂的な応援で知られ、選手、監督に対するヤジも強烈だ。ここ数年、結果を出せずにいる藤浪も例外ではなく、内容が伴わなければ容赦ないヤジを浴びせられる。阪神ファンのヤジが藤浪のメンタル面に与える影響について阿部氏は「藤浪選手は阪神に入団してもう長いので、ファンのヤジには慣れているはず」との見解を示し、次のように続けた。

「藤浪選手に必要なのは、シンプルに言えば焦らないことです。キャンプでは、『今年ダメだったら...』という不安がつきまとうもの。不安を抱えながら自分の力が発揮できない選手は、『今回もやっぱり...』という無意識のうちにマイナスの気持ちになりがちです。まずはしっかりと地に足を付け、余裕をもって練習に臨むことが大事です」

「ピッチングコーチとの信頼関係が...」

   ここ3年間、2ケタ勝利から遠ざかっていることから、今シーズン結果を残さなければ他球団とのトレードが現実味を帯びてくる。キャンプ中にもかかわらず、一部報道では早くも藤浪のトレードの話題も出ているが、阿部氏は野球選手がトレードなどで環境を変えることによるメリット、デメリットをそれぞれ上げつつ、独自の見解を示した。

「プロ野球ではトレードは頻繁に行われますが、プレーをする環境が変わることでそれがプラスに作用する選手もいます。ただ、トレードされた選手の中には、『球団に見放された』、『球団に捨てられた』、『放り出された』というマイナスな気持ちを持つ選手も少なくありません」

   不安を拭うように先週から今週にかけ、これまでにはないほどの球数を投げ込んでいる藤浪。25日には、登板翌日としては異例の320球を投げ込んだ。このような状態に阿部氏は「考えられることのひとつとして」と前置きしたうえで、「ピッチングコーチとの信頼関係が良くないのでは」と指摘した。