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佐渡行き高速船がクジラ?と接触、約20人けが 骨折で全治1か月の乗客も

   新潟―佐渡・両津を結ぶ佐渡汽船の高速船「ぎんが」(定員250人)が2019年3月9日、海洋生物らしきものと接触し、乗船客約20人がけがをする事故があった。

   「クジラのようなものにぶつかって、相当揺れたと話していました」。ぎんがに乗船していた東京都在住の男性の家族は、J-CASTニュースの取材に対し、男性が恐怖を感じた当時の様子を明かした。

  • 佐渡汽船が運航している高速船(写真は、「すいせい」)
    佐渡汽船が運航している高速船(写真は、「すいせい」)
  • 佐渡汽船が運航している高速船(写真は、「すいせい」)

船体の調査・修理のため2便が欠航に

   佐渡汽船の発表などによると、ぎんがはこの日、客121人を乗せて11時30分に新潟を出港した。そして、12時17分ごろに海洋生物らしきものと船底付近で接触し、緊急停止した。接触で船体の一部が損傷したが、7分後にタービンエンジンが再起動したため、そのまま両津港へ向かった。

   両津港には13時30分ごろに到着し、接触時の衝撃で乗船客約20人がけがをしており、救急車で病院に運ばれた。実際は約30人で1人は重傷とする報道もある。船体の調査・修理のため、その後の2便が欠航になった。

   前出の男性も、腰を強く打って立ち上がれない状態になり、担架で救急搬送されたという。診断の結果、腰の骨を折っており、全治1か月の重傷だと分かった。

ミンククジラやツチクジラが春に出没、過去に衝突例

   佐渡汽船の総務部は、海洋生物らしきものについて、「断定はできませんが、過去のケースから考えて、クジラではないかと考えています」と取材に話した。

   通常80キロのスピードを出すところ、クジラがいそうな海域では、減速しているという。また、クジラが嫌がる音を出すなどの対策もしているとした。事故当時の天気は晴れ。新潟海上保安部によると、波は1メートルと穏やかで、視界も悪くなかった。

   今回の海域では、ミンククジラやツチクジラが確認されており、春に出現することが多いとされている。佐渡汽船では、過去にも、クジラとの衝突はいくつかあったとしている。

   全国では、2006年4月に鹿児島湾口で高速船が障害物と衝突し、100人以上がけがをする事故が起きたことがある。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)