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吉田輝星、初登板で早くも「斎藤佑樹を超えた」? 新旧スター明暗の寂しさ

   日ハムのドラ1吉田輝星投手(18)が2019年3月19日、プロ公式戦で初登板した。

   イースタンのヤクルト戦に2番手として5回からマウンドに上がった吉田は、課題の制球に苦しむ場面も見られたが、2回を2安打3四球1奪三振1失点と、まずまずの内容でプロデビュー戦を飾った。栗山英樹監督(57)が見守る中、最速146キロをマークし、1軍昇格をアピールした。

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制球課題も「マウンド度胸」見せる

   注目のプロデビュー戦は、吉田の持ち味と課題の両方が出た。高卒ルーキーながら145キロ前後の直球を連発。打者11人に対して49球。強気の投球で打者を詰まらせる場面も見られ、6回には144キロの直球でヤクルト3番・奥村から空振りの三振を奪う見せ場も作った。昨夏の甲子園でみせた伸びのある直球はプロでも健在で、マウンド度胸も見せつけた。

   一方で高校時代から指摘されていた制球難が顔をのぞかせた。5回には先頭打者の奥村にストレートの四球。続く4番・中山に中前打を許して無死1、2塁となったが、後続を打ち取り無失点で切り抜けた。だが、6回にはまたも先頭・井野に四球を許し、続く太田にも四球を。これをきっかけに1点を失ったわけだが、2イニング限定登板とあらかじめ分かっていた上での3四球は、今後の大きな課題となるだろう。

   日ハム首脳陣は将来のエース候補を2軍でじっくりと育成してから1軍に上げる方針で、開幕1軍の可能性はほぼないとみられる。とはいえ栗山監督は「結果ではなくて、見る度に変わっていけるのは凄い」と、吉田のこの日の投球を高く評価し、「いくよ、良かったら」と早期の1軍昇格をほのめかす発言も。早ければ6月の交流戦前の1軍昇格の可能性が出てきた。

ファームの試合に開門前から行列が

   吉田の登板が予告されていた影響で、この日は開門前に500人のファンが列をなした。平日のファームの試合ながら会場には1737人が詰めかけ「輝星フィーバー」に沸いた。グッズの売れ行きもすさまじく、急きょグッズ売り場の警備員を増員したほど。その人気もさることながら、野球関係者の間からは早くも「斎藤佑樹を超えた」との声も。

   プロ9年目を迎えた斎藤佑樹投手(30)は現在、開幕1軍をかけて奮闘中だ。春季キャンプの実戦練習では一定の結果を残してきたが、開幕が迫るにつれ調子は徐々に下降線に。18日のアスレチック戦では、先発のマウンドに上がり2回1安打1失点。最速は138キロだった。試合後の斎藤は「とてもいい経験だったし、野球選手として楽しかった」と満足げに振り返ったが、首脳陣から開幕1軍の声は聞かれない。

   球のスピードだけではなく、メディアからの注目度も今や完全に斎藤を超えた吉田。営業面においても客を呼べる吉田の評価は上がる一方だ。「今年が勝負の年」が、ここ数年の口ぐせとなっている斎藤に対して、今季プロのキャリアをスタートさせる吉田。夏の甲子園を沸かせた新旧スターの明暗が、ここにきてくっきりとなってきた。