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小林?炭谷?それとも... 混迷続く巨人「正捕手レース」、野口寿浩氏の見方は

   2019年3月29日の広島との開幕戦に向け、巨人の正捕手争いに注目が集まっている。正捕手の有力候補となるのが、小林誠司(29)と炭谷銀仁朗(31)の2人で、これに若手の大城卓三(26)と今季から捕手に戻ったベテラン阿部慎之助(40)が続く。原辰徳監督(60)は当面、捕手を固定せずに起用していく方針だが、今シーズンの正捕手となるのは一体誰なのか。

   J-CASTニュース編集部は、ヤクルト、阪神などで捕手として活躍した、プロ野球解説者の野口寿浩氏(47)に聞いた。

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正捕手争いは開幕2カ月で決着か

   開幕スタメンに関しては、すでに1番から7番までのオーダーがほぼ確定している。開幕投手は菅野智之投手が確実視されており、8番が予定されている捕手のポジションはいまだ確定的ではない。野口氏は「開幕戦に限って言えば、小林選手が先発のマスクをかぶると思います」と、これまで菅野とバッテリーを組み、相性が良いとされる小林が開幕戦先発の可能性が高いと指摘した。

   2016年から巨人の正捕手としてマスクをかぶってきた小林だが、昨オフ、炭谷がFAで西武から移籍してきたことで状況は一変。強力なライバルが出現し、さらに阿部が1塁から捕手にコンバートされたことで春季キャンプから熾烈な正捕手争いが繰り広げられてきた。キャンプ、オープン戦を通じて明らかな結果を残したのはオープン戦打率409.の大城のみ。「第三の捕手」として名乗りを上げた大城だが、リード面に課題を残しており、レギュラーの座をつかむまでには至っていない。

   阿部に関しては体力的な面で衰えは隠せず、現実的にみれば、小林と炭谷の2人の一騎打ちとなるだろう。ただ、小林、炭谷ともにオープン戦では打撃が振るわず、小林は9試合に出場、炭谷は8試合してともに打率は2割ちょうど。リードに関してはそれぞれ首脳陣から一定の評価を得たものの、課題の打撃に関してオープン戦で結果を残すことが出来なかった。

   原監督は捕手の起用について、序盤戦は小林、炭谷、大城の3人を固定せずに臨機応変に起用していく方針を示している。これについて野口氏は「開幕から2カ月程度様子を見て、6月の交流戦までに固定していくのではないでしょうか」と指摘し、3人のオープン戦の結果などからそれぞれの課題を分析し、正捕手争いに言及した。

「キャッチャーに求められるのは、いかに失点を防いでチームを勝利に導くかにあります。ですので、バッティングだけが評価されて起用されることはないでしょう。大城選手はバッティングが良いですが、守備に関しては小林選手と炭谷選手にはまだ及びません。シーズン中、大城選手を起用するならば、チームの打線が低迷した時だと思います。そこで大城選手を起用することで、チームのウイークポイントが補える。大城選手の打力は大きな起爆剤となるでしょう」

どちらかが打撃で数字を残せば...

   野口氏によると、捕手がチームに与える影響は大きく、チームの士気にも関わるという。野口氏は「昨シーズン、小林選手は春先、バッティングが良く、守備も良かったです。体全体に自信がみなぎり、構えもどしっとしていました。ただ、バッティングの調子が下がってくると、守備が浮足立っているように見えた試合もありました。キャッチャーの立ち振る舞いはチームに安心感を与えるので、キャッチャーがどっしりとしていることは、すごく大事なことなのです」と捕手のチーム内での役割について言及した。

   バッティングの好不調によって守備に影響が見られる小林に対し、野口氏によれば、炭谷にはそのようなプレーはあまり見られないという。ただ、炭谷も小林同様に課題のバッティングで結果を残していないため、正捕手確定のランプは灯っていない。野口氏は「小林選手と炭谷選手のどちらかのバッティングが良ければ何の問題もなく、どちらかが正捕手になるでしょう」と話す。

   また、ベテラン阿部について野口氏は「代打での起用になってくるのではと思います」とした上で、「体力的に不安があるかもしれません。その不安感を周りから悟られないようにしなければならない。阿部選手くらいになればそういう心配はいならないかもしれませんが」と話した。