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立憲が「他党から引き抜き」方針? 国民・玉木代表の受け止め方

   各党が2019年夏の参院選に向けた準備を本格化させる中、立憲民主党が早くも「衆参同日選挙も視野に入れて」準備を進める方針を決めた。この方針では、擁立の対象は「前回他党や無所属で立候補した方」を含むとされており、波紋が広がっている。

   読み方によっては、17年夏の衆院選に希望の党(当時)から立候補し、国民民主党に所属している議員を立憲が引き抜いて擁立する、と理解することも可能だからだ。引き抜きの危機が迫る国民民主党の玉木雄一郎代表は、3月27日の記者会見で、「野党のまとまり」「大きな固まり」を目指す、とする原則論を繰り返すにとどめた。

  • 国民民主党の玉木雄一郎代表。立憲の「引き抜き工作」をどう迎え撃つのか
    国民民主党の玉木雄一郎代表。立憲の「引き抜き工作」をどう迎え撃つのか
  • 国民民主党の玉木雄一郎代表。立憲の「引き抜き工作」をどう迎え撃つのか

枝野氏「それは失礼ではないかと思うので」

   立憲が3月26日に決めた「当面の活動方針」では、参院選の1人区については5月をメドに候補者調整を進めるべく各党会派に協力を求めるとする一方、比例区については「『立憲民主党』として戦うことを再確認」し、20人以上の擁立を目指すことを明記。自由党の小沢一郎代表などが求めている野党統一名簿の構想に乗らないことを改めて確認した。

   さらに、

「現在実施中の候補者公募を最大限に活用し、衆参同日選挙も視野に入れて衆議院選挙の公認候補者擁立作業を全国的に進める」

などとして、衆院選の準備も同時並行で進めることをうたっているのだが、憶測を呼んでいるのが、直後の

「前回他党や無所属で立候補した方で、立憲民主党と政策理念等を共有する方を含む」

という但し書きだ。この但し書きの対象として「国民民主の現職も入るのか」という記者の質問に対して、枝野氏は

「現在、他党にいる方についてそうしたことを申し上げるのは...。さらに参院選で5党1会派の連携をしているので、それは失礼ではないかと思うので、発言は控えたい」

と言葉を濁した。

玉木氏「野党のまとまりを作る努力をしていきたい」

   立憲の発足とほぼ同時期に行われた17年10月の衆院選では、希望の党が民進党出身者の候補者を立てた選挙区については、立憲は候補者を立てなかった。枝野氏は次の衆院選については、

「その後の政治状況の中で、我々は野党第1党という立場を与えていただいている。その立場からは、政権を担いうる候補者をしっかりと擁立する責任も負っている」

として、この方針を撤回。衆院選の小選挙区での野党間の候補者調整について

「もしそういったことが将来可能であるならば、それは望ましいと思っているが、その前に各政党の責任として候補者を擁立できる、すべきということについては、各政党の責任として自前の候補を立てる努力をするのは当然」

などと述べ、調整が後手に回る可能性もありそうだ。

   立憲が掲げた「方針」を引き抜き工作の一環とみる向きも多い。実際、3月27日に行われた国民民主党の玉木雄一郎代表の会見では、記者から

「これは、暗に『国民民主党の議員さんも立憲に来たいならどうぞ』と受け止められる」

という指摘が出た。玉木氏は、

「他党の発表された方針にコメントは差し控えたいが、野党は力を合わせて連携して、あの巨大な与党にどうやって向き合っていくのか。参院(選)までの時間も限られてきたので、それこそ全力で力合わせに汗をかいていかなければならないし、私自身は、とにかくできるところから、野党のまとまりを作る努力をしていきたい」

などと述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)