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「7pay」開始でnanacoユーザーが気を付けることとは? 無視できない還元率&システム変更

   セブン&アイ・ホールディングス(7&i HD)傘下のセブン・ペイが2019年7月から、独自のバーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」のサービスを開始する。7&i HDが4月4日に発表した。

   あわせて電子マネー「nanaco(ナナコ)」や、ランク制度「セブンマイルプログラム」も、今夏から秋にかけてリニューアルすると発表。決済シーンによってポイント還元率が大きく変わるとあって、消費者には動揺の声も出ている。

  • nanacoが変わる
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「nanacoポイント」「マイル」「バッジ」がたまる

   発表資料によると、「7pay」は、スマートフォンアプリ上で登録して、店頭レジやセブン銀行ATM、各種クレジットカードで事前に「マネー」をチャージする。レジでのバーコード読み取りで決済でき、アプリに紐付けた「nanacoポイント」「マイル」「バッジ」がたまる仕組みだ。

   nanacoポイントは、字面から「nanacoのポイント」だとわかるが、あとの2つは説明が必要だ。セブンマイルプログラムでは、購入額などに応じて「マイル」が付与される。マイルは3か月ごとのターム(期間)で計算され、合計獲得数に応じて5段階にランク分けした結果、nanacoポイント付与などの特典を得られる。そして、これとは別に、「お弁当」「おでん」といった商品ジャンルや、訪問店舗数などに応じて付与されるのが「バッジ」だ。こちらも獲得数ごとに、「銅」「銀」「金」「プラチナ」と4ランクに分けられ、各種の特典を受けられるという。

   7payの詳細が明かされた4月4日には、nanacoのポイント付与率の変更と、セブンマイルプログラムのリニューアルも発表された。前者では、これまで100円(以下、税抜)ごとに1nanacoポイント付与していたのが、7月から200円ごとに1ポイントへ。つまり付与率が1.0%から0.5%に低下する。

   一方で、9月以降のセブンマイルプログラムでは、200円ごとにたまる「マイル」を、好きなタイミングでnanacoポイントに交換できるようになる。レートが仮に1マイル=1ポイントだとすれば、nanacoと合わせて1.0%の付与率となる。ちなみに現状のプログラムでは、1円ごとに1マイルたまり、nanacoには交換できない。

EdyやWAONも「200円で1ポイント」だが...差は?

   7&i HDは発表文で、今回のリニューアルをこう説明している。

「今回、セブンマイルプログラムを中心に、決済を絡めた、分かりやすく、使いやすい形で、複合的にメリットを還元してまいります」

   しかしインターネット上では、「複雑でわかりにくくなった」との指摘も多い。たしかに「7pay」「nanaco」「セブンマイルプログラム」の3サービスで、「nanacoポイント」と、それに交換できる「マイル」、そして「バッジ」が付与される――と言われても、すぐには理解できない。

   また決済シーンによっては、還元率が大きく下がる。たとえば、「小腹すいたな」「ノドかわいたな」と思ったとき。ペットボトルを1本買ったり、おにぎりを1個買ったりしても、支払いが100円台に収まったら、1ポイントも付与されない。まとまった買い物でも、300円、500円など、100円の位が奇数だと、nanaco還元率は0.5%以下になる。近くのお店がnanaco加盟店だが、セブンマイルプログラムには対応していないケースもある。

   なお、競合にあたる電子マネーのEdyやWAONも、200円利用ごとに1ポイント付与だ。そのためツイッターでは「EdyやWAONとかと同じになるだけと思うことにする」といった受け止めも見られるが、Edy、WAONが「税込200円ごと」なのに対して、7月以降のnanacoは「税抜200円ごと」。10月に予定されている消費増税以降は、さらに影響が出てきそうだ。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)