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梅野が「阪神浮上」のカギを握る OB野口寿浩氏が指摘する「昨年との違い」

   阪神は2019年4月7日の広島戦で5回までに4得点を挙げ、開幕から続いた8試合連続3得点以下の球団ワースト記録にストップをかけた。巨人との開幕カードでは3連敗を喫したが、5年連続で負け越し中のマツダスタジアムでは2勝1敗と勝ち越し。第3戦目には、今シーズン新加入の西勇輝投手(28)が先発し、9回6安打9奪三振の完封勝利を飾り、チームは4勝5敗とし中日と並び同率4位となった。

   開幕から湿りがちだった虎打線がようやく目覚めた。3回に新主将・糸原健斗内野手(26)が左前に落として先制すると、4回には梅野隆太郎捕手(27)の適時打で追加点。5回にさらに2点を追加し、今季初めてとなる4点目を挙げた。阪神打線の快進撃は止まらず7回と8回にも点を追加し、大量9点を奪っての快勝だった。

  • 阪神の本拠地・甲子園球場
    阪神の本拠地・甲子園球場
  • 阪神の本拠地・甲子園球場

「投手陣に与える安心感が違います」

   阪神OBで昨年までヤクルトのコーチを務めていた野球解説者の野口寿浩氏(47)は、今回の広島3連戦の勝ち越しは、梅野の復帰が大きく影響していると指摘する。梅野は4月2日の巨人戦で1塁ベースを駆け抜けた際に左足薬指を骨折。チームドクターの判断により、負傷しながらも5日の広島戦から戦線復帰し、8番捕手でスタメン出場した。

   野口氏は「梅野選手の復帰はチームにとって非常に大きいです。投手陣に与える精神的な影響が違ってきます。坂本(誠志郎)選手(25)はもちろん、いい捕手ですが、梅野選手と比べると、どうしても差が出てきます。配球面でもそうですが、投手陣に与える安心感が違います」と指摘する。

   梅野は昨シーズン、正捕手として132試合でマスクをかぶり、ゴールデングラブ賞に選出された。打撃でもキャリアハイとなる打率259.をマークするなど、プロ5年目にしてチームの中心選手に成長しつつある。野口氏は、昨年までと今シーズンの梅野の違いについて次のように語った。

「矢野監督は批判されるようなことは全くない」

「キャッチャーというのは、見逃し三振を取った時、非常に気持ちがいいものなんです。昨年までの梅野選手は、そればかりを狙っているようにも見えました。今年の梅野選手には、そのような傾向が一切、見られません。常にチームと投手陣のことを考えたリードをしているように見受けられます。落ち着いてマスクをかぶっていますし、チームからも信頼されていると思います」

   チームはヤクルトとの開幕3連戦で2勝1敗と勝ち越したものの、続く巨人との3連戦では巨人打線の猛攻もあり屈辱の3連敗。開幕から広島との第3戦まで3点以上の試合がなく、球団ワーストを塗り替える日々が。ネットでは指揮を執る矢野燿大監督(50)が批判の的となったが、野口氏は現在のチーム現状を「悲観的」にはとらえていない。

「まだこの時期ですし、どのチームも手探り状態の中にいます。首位の巨人でさえ、まだ、『これだ』というものが確立されていません。9戦を終えて4勝5敗ですし、滑り出しとしてはそれほど悪いとは思いません。矢野監督は批判されるようなことは全くないと私は思っています」