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VTuber「ゲーム部」パワハラ騒動で事務所が報告 「不適切なコミュニケーションあった」...活動は継続へ

   人気バーチャルYouTuber(VTuber)ユニット「ゲーム部プロジェクト」の声優にスタッフが暴言・パワハラ行為をしていたとされる問題で、所属事務所Unlimitedは2019年4月11日、声優らとの話し合いの結果を報告した。

   「特に声優スタッフを軽視する様な言動が、声優スタッフに精神的な苦痛を与えておりました」と認めた上で、同様の問題を再発させないことなどを条件に「ゲーム部プロジェクトでの業務を継続する」ことで合意したとしている。

  • 「ゲーム部プロジェクト」のYouTubeチャンネルより
    「ゲーム部プロジェクト」のYouTubeチャンネルより
  • 「ゲーム部プロジェクト」のYouTubeチャンネルより

「会社全体としての体制、カルチャーに要因があると認識」

   事務所スタッフから「声優はいくらでも替えがきく」などの暴言を浴びせられたり、長時間労働を強制されたりしているとツイッターで告発するアカウントが、4月に入って複数確認されていた。いずれもゲーム部との関係は明示しておらず、ゲーム部側も声優が誰なのかを明かしていないものの、ゲーム部のキャスト声優との情報がネット上で拡散。事務所側に説明を求める声が相次いでいた。

   そうした中でUnlimitedは11日、野口圭登・代表取締役名義で公式サイトに報告文を掲載。「今回の一連の件につき、皆様にご心配とご迷惑をお掛け致しましたことを心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪し、「今回の件を受け声優スタッフと真摯に話し合いを行い、今後も活動を行っていくことについてお互いに確認できたこと、まずはご報告申し上げます」とゲーム部活動継続する運びとなったことを伝えた。

   報告によると5日、ゲーム部の声優4人から「制作スタッフによる配慮を欠いたいじめとも受け取られるコミュニケーションが度重なりあった、という指摘とともに、業務辞退の申し入れがございました」という。「特に声優スタッフを軽視する様な言動が、声優スタッフに精神的な苦痛を与えておりました」としており、

「本指摘を踏まえ声優スタッフとの話し合いと実態把握を通じて、指摘通りの不適切なコミュニケーションがあったこと、また声優スタッフの業務内容や業務量を適切に管理し、業務情報を共有する立場の人間がいなかったことで、声優スタッフへ過度な業務負担を強いる状況となっていたという問題が明らかになりました」

と事務所側に問題があったことを認めた。また、

「こうした問題が生じていたことは、個々人の問題ではなく会社全体としての体制、カルチャーに要因があると認識しており、これを是正しなければ、会社、すなわちゲーム部プロジェクトの今後の発展は決して望めないところであると反省しております」

と原因を分析している。

再発防止など条件にプロジェクト続行

   再発防止策についても「事業ラインとは別に新たにマネジメントを専門に行う部署を設置するとともに、声優スタッフの担当マネージャーを配置し、適切な業務量となるよう最大限配慮する体制をとることに致しました」と伝えた。その上で、

「声優スタッフとの話し合いの中で、待遇条件を改善すること、社内コミュニケーションを改善すること、決して同様の問題を再発させないことがゲーム部プロジェクトでの業務を継続する条件であることを確認・合意し、今後声優スタッフが充実した活動を続けられる体制を当社経営陣が責任を持って構築していくことを約束させて頂きました」

と活動継続の条件を声優らと合意したとしている。

   同社は今回の問題が起きた背景について、

「今回の件は声優スタッフから声が上がりましたが、本質的には、ゲーム部プロジェクトを作り上げるために貢献している声優スタッフ、制作スタッフや協力会社など、ゲーム部プロジェクトに関わる人全てに対するリスペクトや適切な待遇、コミュニケーションが、事業成長やプロ意識という名のもとに軽視された状態でゲーム部プロジェクトが運営されていたことを原因とするものであり、声優スタッフに限定される問題ではないと考えております」

と説明。この問題を通じ、

「声優スタッフだけでなく当社スタッフ全員の心身の安全・健康が第一であり、それを大前提としてこそ、ファンの皆様が喜ぶものを届け続けることができるということを、改めて強く自覚するに至りました」

と認識を新たにしたことを強調した。

   最後に「ファンの皆様、関係者の皆様にご迷惑とご心配をお掛け致しましたことを重ねてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と改めて謝罪し、「当社としては、必ずや今回の問題を解決し、当社スタッフ全体でこれまで以上にすばらしいコンテンツを届けていく所存ですので、今後とも、ゲーム部プロジェクトをよろしくお願い申し上げます」と呼びかけている。