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モンキー・パンチさん死去で、怪作「MUSASHI―GUN道―」もトレンド入りの珍事

   漫画家のモンキー・パンチ(本名:加藤一彦)さんの訃報に、ネット上でも悲しみの声が広がっている。そんな中、モンキー・パンチさんがかかわった、ある作品がツイッターなどで話題に。

   その作品は、原作者として参加した「MUSASHI―GUN道―」だ。2006年にBS-i(現BS-TBS)などで、「ルパンIII世のモンキーパンチが12年の構想を経て完成させた時代劇アクションアニメ」(当時のニュース記事より)とのうたい文句で放映された。

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「うおっまぶしっ!」などがネットスラングに

   「豊臣幕府」が誕生したパラレルワールドの日本を舞台に、二刀流ならぬ二丁拳銃の達人・ミヤモトムサシらがバトルを繰り広げる活劇アニメ――というユニークな設定だったが、いざ放送が始まると、安定しない画風やぎこちない動き、つながりが不自然なカットなど、いわゆる「作画崩壊」が露呈する。

   製作体制のひっ迫という、やむにやまれぬ事情だったが、ネット上ではかえってその珍妙さを面白がられることに。ワンシーンを切り出し、編集したいわゆる「MAD動画」が相次いで投稿されたり、「うおっまぶしっ」「落ちながら戦ってる」といった作中のセリフがネットスラング化したりするなど、「GUN道現象」ともいうべき流行が生まれた。

   こうした話題性もあって、前半部分のみではあるが、急遽DVDも発売されることに。「封印」の2文字が大きくあしらわれたパッケージも、これまた話題を呼んだ。また、「ストーリー自体は面白い」と評する向きも少なくない。

   モンキー・パンチさんにとっては本意ではなかったかもしれないが、放送から13年が経った今も、ネット民には当時の盛り上がりを忘れられない人が多かったようだ。訃報(2019年4月17日公表)を受け、ツイッターには作品に言及する投稿が続出、代表作の「ルパン三世」などと並んで、「GUN道」がトレンドワードの上位20件にランクインする珍事となった。

当時の関係者からもツイートが...

   当時の関係者からも、思い出が書き込まれた。企画初期に携わったという、「大砲とスタンプ」などで知られる漫画家・速水螺旋人さんは、

「モンキー・パンチさん、僕が会社員時代にちょっとだけ仕事でご縁がありました。こちらが考えたキャラを絵にしていただく栄誉! 20年以上前の話ですね。そして僕は会社を辞め東京に出て、その企画は消えてなくなったと思いこんでいたある日のこと、突如世に出たのです。『MUSASHI-GUN道-』といいます」
「当初考えていたものとはだいぶ変わっていて、残っていたのは宮本武蔵が二挺拳銃で戦うというところぐらいだったのですが、それでモンキー先生がキャラデザなもんだから『う、うわあ、これはまぎれもなく!』と腰を抜かしたのですよ。飄々とした方でしたね。おつかれさまでした。ありがとうございました」

とモンキー・パンチさんへの感謝をつづる。また、作中でも有名な「作画崩壊」シーンを自分が担当した、と「告白」するユーザーもあり、投稿は2500回以上もリツイートされている。